ノーコードのデータ連携基盤でDXを推進 現場主導で進める業務効率化改革

自治体バックオフィスのDXの最大の課題は人材不足だ。アステリアでは、ノーコードツールを活用し、システムベンダーと職員が共同でデータ連携基盤を構築する「いいところ取り」の手法を提案する。

松浦真弓 アステリア株式会社 地域創生推進室 副室長

多くの自治体が直面している課題、それが電子入札、財務会計、人事給与など、自治体の組織内の事務をこなすため個別に最適化されたシステムが乱立し、相互連携が取れない「サイロ化」の問題だ。アステリア株式会社地域創生推進室 副室長の松浦真弓氏は、この状況を打開する鍵はデータ連携基盤の構築にあると指摘する。

「自治体のバックヤードは、複数のシステムに同じデータを入力したり、ファイルを出力して編集し、また別のシステムに読み込ませたりという非効率な作業を強いられています。データ連携基盤を整備すれば、こうした負担を大きく軽減できます」。

一方で、総務省の調査によれば、日本におけるDX推進の課題としては人材不足が筆頭にあげられ、次がデジタル技術の知識不足だ。バックヤード業務の効率化へデータ連携基盤をつくろうにも、システム開発を外部委託すれば高コストでブラックボックス化し、内製化しようにも専門人材がいない。

バックヤードDXへ
ノーコードでデータ連携基盤構築

このジレンマに対し、松浦氏は「ノーコード」という解決策を提示する。「ノーコードツールなら、プログラミングの専門知識がなくても、アイコンを選んで並べ、線でつなぐだけでシステム構築が可能です。開発期間もコストも大幅に削減でき、何より中身が可視化されているため、職員自身でメンテナンスができるようになります」。

松浦氏が提案するのは、ノーコードのデータ連携ツールを活用して、システムベンダーと自治体職員が共同でデータ連携基盤を構築するやり方。ベンダーの知見を活用しつつ、職員がノーコードツールの操作を習得し、運用・保守の内製化を実現できる。

アステリアのデータ連携ツールであるASTERIA Warpは1万社以上の導入実績を誇るが、自治体においても導入が進んでいる。都道府県レベルでは、職員自らがExcelの統合・集計業務の自動化システムを構築し、集計作業工数を40%削減した事例もある。さらにある政令指定都市では、予算・財務情報管理システムの連携により、現場と財政局双方で予算編成に関する大幅な時間短縮を達成した。

「埼玉県の事例では、自動車の納税通知書送付先変更と、化学物質取扱事業者からの申請に、フロン回収事業者からの申請という全く異なる申請について、フロント側の電子申請システムと、バックエンドの業務システムを連携ツールで接続。トラブルなく運用できています」。

2025年度を目標とする自治体システム標準化も見据え、松浦氏は標準化対象の20業務間の連携だけでなく、対象外業務との連携も重要だと指摘する。同社のASTERIA Warpは100種類以上のシステムと連携でき、マイナンバー利用事務系でも使用可能だ。

「DXは手段であって目的ではありません。ビジョンや方針は首長や管理職が示し、システム構築はITエンジニアの専門知識を活用する。そして現場の職員が主導してDXを進める体制づくりが重要です」。

松浦氏は最後に、現場の職員がDX推進の主役になるべきだと強調した。ノーコードツールを活用することで、IT部門はもちろん、現場の業務を最もよく知る職員自身が業務改善を主導できる。それこそが、持続可能な自治体DXの実現につながるという。

 

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