パンチ工業 月面探査車の月への輸送に貢献 「脱・金型部品依存」へ刻むステップ
ものづくりに欠かせない金型の部品メーカー、パンチ工業。航空宇宙産業への進出を目指しており、3月に月面に到達した月面探査車の輸送にも測定技術で貢献した。2025年は創業50周年。半世紀にわたって精密金型部品の製造で培った技術を強みに、金型部品から新分野へ事業を拡大しようとしている。
森久保 哲司(パンチ工業 社長執行役員・ 最高経営責任者)
月面探査車の
月への輸送に貢献
2025年3月7日未明、ロボット・宇宙技術開発ベンチャーの株式会社ダイモンが開発した月面探査車「YAOKI」が搭載された月着陸船が月面軟着陸に成功した。その数時間後、YAOKIが撮影した月面の写真データが地球に届いた。YAOKIは日本の民間企業が単独で開発し、月面に到達し稼働した初めての月面探査車となった。
パンチ工業は、2023年5月にダイモンと技術パートナー契約を締結し、「Project YAOKI」の一員としてプロジェクトに参画。YAOKIは、月着陸船で月まで収納ケースごと運ばれ、月着陸後にケースから飛び出して月面探査を行うという設計で、輸送時には振動に耐えられるよう、収納ケースとYAOKI本体のすき間をスポンジ状の弾性体で適切に詰める必要がある。パンチ工業では、図面がない部品などの現物を3Dスキャナで3Dデータ化して復元する「リバースエンジニアリング」で使われる3D形状測定技術を活用。すき間の数値をデータ化し検証することで、ケースの寸法や弾性体の厚さなどを導き出すサポートを行うなど、打ち上げの土台作りに貢献した。
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