三井住友フィナンシャルグループ デジタルで切り開く金融ビジネス
2001年のさくら銀行と住友銀行の合併から25年。三井住友フィナンシャルグループは業務と地域の「二つのウイング」を拡大し、従来の銀行の枠を大きく超えた金融グループへと進化を遂げた。今後はデジタル技術を積極的に活用した更なる価値創造に取り組み、新時代の金融企業像の構築を目指す。
中島 達 (三井住友フィナンシャルグループ 執行役社長)
ベストプラクティスの追求で
短期間での統合に成功
三井住友フィナンシャルグループ(SMFG)の原点は、2001年に実現したさくら銀行と住友銀行の合併にある。日本ではバブル経済崩壊後の1990年代に金融業界の再編が進み、その流れの中で三井グループの都市銀行だったさくら銀行と住友銀行が合併、三井住友銀行が発足した。SMFG社長の中島達氏は当時、住友銀行の企画部でアライアンス戦略を担当。業界内の合従連衡が進む激動の中、検討開始から僅か4カ月で合併発表に漕ぎつけたという。
「統合は最初から『ベストプラクティスでいきましょう』と両行の頭取が決めていました。客観的に比較して、どちらか良い方に完全に合わせる。折衷案はとらないと。この方針を徹底したことで、他行が10年以上かけたシステム統合を2年半で完了できました」。
三メガバンク体制となった2005年には三番手だったSMFG。しかし徹底したベストプラクティスの追求により、短期間でPMI(ポスト・マージャー・インテグレーション)を完了。この迅速な基盤固めが、その後20年間で時価総額を大幅に伸ばし、現在では国内2番手にまで成長する原動力となった。
「『一つの会社としていいものを作る』という発想を貫いたことが、アウトパフォームに繋がったのだと思います」。
ビジネスの幅を広げる
2つのウイング戦略
グループ発足からの20数年間、SMFGは「2つのウイング」を拡大することで成長してきた。1つは事業の多角化(業務のウイング)、もう1つはグローバルビジネスの拡大(地域のウイング)だ。
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