再エネ×EVで 自治体の脱炭素をサポート

2050年カーボンニュートラル、2030年度・温室効果ガス46%削減を掲げる国の動きに合わせ、各自治体でも脱炭素へ向けたアクションが求められている。コスモ石油では、再エネとEVを組み合わせた、自治体向けの脱炭素アクションを提案。ゼロカーボンシティを目指す自治体をサポートする。

吉村 卓一 コスモ石油マーケティング株式会社 次世代事業推進部 地域エネルギーグループ グループ長

国の脱炭素へ向けた動きに合わせ、2050年の「ゼロカーボンシティ宣言」を表明している自治体は全国766に及ぶ(2022年8月末時点)。

多くの自治体において、施設で使用する電力と公用車の2つが、排出されるCO2の主要因となっている。この電気と車の脱炭素について、コスモ石油では、①再エネ電力の導入、②自家消費型太陽光発電の導入、③電気自動車(EV)の導入、④カーシェアリングの活用の4つの切り口で、自治体の脱炭素アクションを支援する。

まずは、再エネ電力の導入について。多くの自治体において、使用電力の再エネへの切り替えが重要な施策となっている。ただ、価格や再エネの供給力がネックで、切り替えに踏み切れないケースは多い。

コスモ石油マーケティングの吉村卓一氏は「価格については足下、火力の電源コストの上昇が続いています。再エネと一般電力の価格差は縮まり、場合によっては逆転現象も起きています。今こそ、再エネ電力の見積もりを比較検討する時期かと思います」と話す。

さらに、現在、国内の再エネは全電力の2割ほど。国の目指す「2030年CO2排出量46%削減」に向け、再エネが需要に対して不足していく可能性は高い。つまり、いち早く、今のうちに再エネ電力の安定供給をできる電力会社を選ぶことが必要だ。

コスモ石油は、グループ会社に風力発電会社のコスモエコパワーを持つ。1997年に設立した同社は、国内で最も歴史の長い風力発電会社。現在、21地域に175基の風車を持ち、約30万KWの発電能力を持つ。さらに、再エネの需要が高まるのを視野に、2030年度までには150万KW体制を目指し、供給を増やす方針だ。

コスモエコパワーは、全国21地域に175基の風車を持つ

太陽光発電はPPAモデルで
計画性求められるEVへの切り替え

電力会社から再エネ電力を購入することに加え、保有施設に自家消費型太陽光発電を導入するのも有効な手段。再エネを全量購入するより経済性が良く、環境への対策として市民への視覚的アピールにもなる。また、非常用電源として活用が可能で、災害時のレジリエンス強化にもつながる。

ただし、太陽光発電設備の導入には、相応の投資が必要となる。そこで吉村氏は「初期投資の不要なPPAスキームの活用」を提案する。

PPAとは、保有施設の屋根を第三者に貸して太陽光パネルを設置してもらい、発電した再エネをリーズナブルな料金で購入する契約。太陽光パネルの自己投資がいらない、発電した再エネをリーズナブルな料金で購入できる、契約期間中、自治体はノーメンテナンスで使用できることなどがメリットだ。

コスモ石油の提供する新しいサービス「コスモでんきグリーン」でも、このPPAサービスを提供している。

自治体にとって、電気に次ぐCO2排出要因となっているのが公用車。このEVへの切り替えは重要な課題だ。例えば、2030年の46%削減目標に合わせ、公用車の半数をEVに切り替えることを目指すなら、2023年度から計画的に数台ずつ入れ替えていく必要がある。

EV導入へ向けた補助金は年々拡大しており、現在、経産省の補助金は最大で85万円。補助金を活用すれば、実質250万円のガソリン車より、300万円のEVの方が安く調達できる。コスモのカーリースは、こうしたEV補助金にも対応している。

「ランニングコストもガソリン車よりEV車の方が経済的です」と吉村氏は指摘する。例えば、10万キロの走行で、ガソリン車のガソリン代が140万円以上かかるのに対し、EVの電気代は40万円。1台あたり100万円の差となる。

さらに、EVは動く大容量の蓄電池でもある。災害時に電気の途絶えている場所へ移動し接続することで、緊急時の非常用電源としても活用できる。

また、コスモ石油では2021年、EVの規格・設計・開発を行うASF社と資本業務提携を締結。ASF社の軽自動車版EVを、2023年度から販売する予定だ。

「自治体の公用車として多くの軽自動車が使われています。ASF社のEV車両は、公用車として非常に有効かと思います」(吉村氏)。

再エネのエコシステムをつくり
複数の地域課題を同時に解決

コスモ石油では、ガソリンスタンドでのカーシェアリングサービスを拡大しているが、この仕組みを自治体の施設にも提供する。

活用方法としては、EVへ切り替えた公用車を平日は自治体で活用、休日に使わない公用車を有効活用し、地域住民や観光客向けに地域のラストワンマイルのモビリティとして活かしていく。また、近隣の企業とEVをシェアすることで、車両コストの削減につなげる。

吉村氏は、「2050年までの『ゼロカーボンシティ』は、自治体自体はもちろん、域内の企業も含めてゼロにしていくことが求められます。カーシェアリングのサービスは、企業のコストを削減しながら一緒になってCO2の削減を進めていくことにも活用できます」と利点を挙げる。

コスモ石油では、再エネとEVを組み合わせることで、あらゆる角度から自治体の脱炭素アクションをサポートする計画だ。コスモエコパワーの風車で発電した再エネを、コスモでんきグリーンで供給。PPAスキームで太陽光パネルを設置することで、昼間は太陽光の再エネ、不足分はコスモエコパワーの風力の再エネで賄い、100%再エネでの自治体運営を可能にする。

さらに、補助金対応のカーリースで公用車のEVへの切り替えを推進。あわせて、電力のピークマネジメント、エネルギーマネジメントのシステムも提供する。

「EVの台数を増やしていくことは、動かせる蓄電池の増加にもなりますので、災害時レジリエンス強化にも繋がります。あわせて、カーシェアリングを導入することで、地域MaaSの実現や地域共生にも繋げていくことができます。再エネとEVを組み合わせることで、自治体にとっては、脱炭素だけではない、複数の地域課題の解決も同時に進めていくことが可能となります」と吉村氏は講演を締めくくった。

 

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