EF Polymer 作物残渣由来のポリマーで水の課題を解決
超吸水性を備えた100%自然由来の素材「EFポリマー」が、干ばつや水の確保に苦しむ農業従事者を救うとして注目を集めている。開発した沖縄発スタートアップのEF Polymerは、地域で発生する作物残渣から作ったEFポリマーを地域の農業で使う地産地消型モデルによる普及を世界で目指している。
圧倒的な保水力に加えて
保肥、土壌改良にも有効
EFポリマーは自重の50倍の保水力を持った超吸水性ポリマーだ。土の中で約6カ月間吸水と放出を繰り返すことができるため、乾燥地でも植物に水分を供給することが可能になる。紙おむつや生理用品などに使われている吸水性ポリマーは石油由来の製品がほとんどだが、EFポリマーはオレンジやバナナの皮などから抽出した多糖類を原料とする有機100%の製品で、約12カ月で土に還るため環境負荷の心配がない。また、肥料が溶け出した水を保つことができるため保肥につながるほか、ポリマーが水分の吸収と放出を繰り返すことで土の中に小さな孔ができ、土壌改良など副次的な機能も併せ持つことが特長だ。
この画期的ポリマーの開発者はインド人のナラヤン・ガルジャール氏。生まれ育ったインド北部ラージャスターン州の小さな村は干ばつ地帯にあり、常に農作物の不作に苦しんでいたという。サイエンスに長けていたナラヤン氏に、父は「その力を村の困窮を救うために使ってはどうか」と助言し、そこから干ばつを解決する素材の開発をスタート。石油由来のポリマーでは土に帰らず、土壌や地下水、さらには海洋の汚染にもつながることから、完全有機にこだわって商品化を進めてきた。
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