大阪府八尾市のコンペイトウミュージアム 体験で伝統菓子の価値を高める100年企業への挑戦
(※本記事は経済産業省近畿経済産業局が運営する「公式Note」に2026年9月4日付で掲載された記事を、許可を得て掲載しています)

ポルトガルから日本へ伝わり、480年ほどにわたって愛され続けてきた伝統菓子「金平糖」。そのカラフルで可愛らしい金平糖の製造技術や歴史文化を楽しく学びながら、自分だけのオリジナル金平糖づくりを体験できる国内唯一の施設がコンペイトウミュージアムです。
大阪府堺市、八尾市、福岡市に展開する同施設には、子どもから大人、そして海外からの旅行者まで幅広い来館者が集います。ここで提供されているのは、単なるお菓子作り体験だけでなく、日本の食文化やものづくりの魅力に触れ、人と文化をつなぐ特別な体験です。
今回はコンペイトウミュージアムの取組みや今後の展開について、コンペイトウ王国(大阪糖菓株式会社)代表取締役社長 野村様にお話を伺いました。

金平糖の生産で終わらない、ミュージアムへの挑戦
同社の創業は1940年、菓子の卸問屋として事業を開始しました。金平糖を扱うようになったのは、戦後、得意先から金平糖の釜を仕入れて欲しいと依頼を受けたことです。価格の折り合いがつかず、巨大な釜だけが手元に残りましたが、すぐに金平糖の製造を開始します。そこから、「ユニークでオリジナル」をモットーに、金平糖やマーブルミンツなどの砂糖菓子やお薬をコーティングするための粉糖などを製造しています。

コンペイトウミュージアムを始めたきっかけは、現会長の「少子化による人口減少の中、モノ(製品)を大量に生産していても価格競争に巻き込まれるだけだ、金平糖だけが持つ面白い製造工程や歴史文化をお客さまにお伝えし、金平糖の価値を上げていく必要がある」という強い危機感と熱い思いでした。
そこで、「見て・聞いて・作れる体験型空間」をキャッチコピーに、2003年3月に「コンペイトウ(プチ)ミュージアム堺」を開設。当初は地域住民に気軽に来てもらうことを目標と、大人200円、小人100円の体験料でスタートしました。その後、テレビ取材をきっかけに旅行会社からの大型団体受け入れの相談が増加し、同年10月「コンペイトウミュージアムやお」を開設しました。2014年のピーク時には、約25,000人が来場する体験ミュージアムへと発展しました。
プレミアムなコンペイトウ作り体験へ
多くの家族連れや外国人も来場し、順調だったミュージアムに2020年コロナ禍が襲います。同社の卸先は京都や金沢などの観光地。売り上げも例年の60%となりました。ミュージアムでの体験も密を避けることが難しい中、野村社長の「少人数のお客さまに特化した個性と想像力を大切にした体験にシフトチェンジし、体験を続けよう」という思いのもと試行錯誤を重ね、2020年9月には八尾市の支援制度を活用し、「密を避けて、蜜をかけて、金平糖を作ろっ」をキャッチコピーに、30cmのミニ釜を新たにこしらえ、人数制限を設けながら体験事業を継続したのです。
ミュージアムの金平糖手作り体験では、大きさや色、味も自由にカスタマイズできるオンリーワンな体験を提供しています。真っ白い、お砂糖の甘さのみの金平糖に自分自身で決めた色や味を少しずつつけながら優しくかき混ぜ、味見をしながら作る体験は、とても楽しく、思い出深いものになります。3歳から体験でき、家族連れやカップル、近年では日本のアニメやマンガに出てくる金平糖を作りたいという外国人にも大変好評です。

外国人対応や様々なコンテンツを活用した広報
堺や八尾のミュージアムでは約1割、福岡のミュージアムでは約7割が外国人の来場者です。インバウンドにも対応するため、体験工程や動画のテロップも多言語化しています。それだけでなく、同社は外国人も積極的に採用しています。2018年から留学生インターンシップを開始し、今まで、ベラルーシ、インドネシア、台湾、中国、ロシア、メキシコといった幅広い人材を採用しました。外国人社員やインターンシップ生が施設内の多言語化や案内資料の作成に活躍しています。
また、同社では様々なコンテンツを活用した広報を行っています。オリジナルキャラクターのゆるキャラである「シュガラブちゃん」や本格的なオリジナルマンガ「コンペイトウ王国物語」、コンペイトウの歌等オリジナリティ溢れるコンテンツも金平糖を知ってもらうきっかけとなっています。

目指せ100年企業 コンペイトウミュージアムが描く未来
近年では地産地消型の商品開発にも力を入れており、八尾市の若ごぼう、柏原市のぶどう等地域資源を活用した商品開発を進めています。また、地元の高校生とコラボした商品開発やパッケージデザインにも力を入れています。
また、八尾のミュージアムの老朽化が進んでおり、現在2年以内に新工場の建設を計画しています。
新工場では、受け入れ人数も増やし、体験事業の拡大を予定しています。
同社は今年で創業87年。野村社長は「目指すは100年企業。そのために、金平糖文化を次世代に継承し、海外への輸出も拡大、そして何より今の子どもたちに金平糖を食べて親しんでもらい、大人になった時に“懐かしい”と感じてもらえるお菓子にすること」を重視しています。
野村社長は「体験や工場見学だけでなく、ぜひ気軽に遊びにきてほしい。」と話します。美味しさだけでなく、その可愛らしい見た目から、インテリアやアクセサリーとしても活用される金平糖。その金平糖の歴史や文化、魅力を思う存分堪能できる同施設に、皆様も足を運んではいかがでしょうか。

(編集記)
売店には常時30〜40種類の様々なコンペイトウが並んでいます。
その中には「コンペイトウガチャ」もあります。職員が挑戦してみると・・なんと最高レア度SSRのシール入りという神引き!何だか良いことがありそうです。

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- 近畿経済産業局 公式note