金属建材メーカーの岡部 SDGs経営と新規事業開発を強化

様々な建築物を支える数々のヒット商品を生み出してきた岡部。耐震性能を確保する構造材の提供で、地震が多い日本の建物を守っている。中期経営計画では第1の柱に「SDGs経営」を掲げ、既存事業や新規事業を通じた社会課題解決への貢献を図る。

河瀬 博英(岡部株式会社 代表取締役 社長執行役員)

建設関連製品事業などを展開する岡部は1917年(大正6年)、一般建築用金物の製造・販売を営む個人商店として岡部蜜之助が創業。1951年には、鉄筋コンクリートの施工時に型枠の精度を保つ「フォームタイ工法」を開発した。

フォームタイ工法などの
ヒット商品で建築を支える

「フォームタイ工法が開発される以前は、番線を括り付けて精度を保つ工法が一般的でした。この方法は精度が悪く、錆が出るなどの問題もありました。これに対し、機能だけでなくコスト面でも優れていたフォームタイ工法は、その後広く普及し、建築の基盤技術となりました」。

岡部の代表取締役・社長執行役員の河瀬博英氏は、こう語る。フォームタイ工法は1958年頃までに高いシェアで採用されるようになり、岡部は右肩上がりで成長した。しかし、1973年の第1次石油危機の影響で成長は鈍化し、1975年には創業以来、初の赤字に陥った。

「当時は難局を打開するため、販売網の整備や拡充とあわせて新製品の開発に注力しました。そして現在も広く用いられている土木法面補強のフリーフレーム工法や、鉄骨造の柱脚に使うベースパック工法を市場に投入し、フォームタイ工法に続くヒット商品を生み出しました」。

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