高度経済成長を駆け抜けた経済小説の巨匠 日本再生への提言

日本を代表する経済小説家、高杉良。緻密な取材に裏付けられた臨場感溢れるリアルな内容は、ときに大手企業からの訴訟問題に発展するなど、社会にも大きな影響を及ぼしてきた。記者時代から数えて60余年。82歳の巨匠は、昭和の高度経済成長期をどう駆け抜け、そして令和の今、何を思うのか。

文・油井なおみ

 

高杉 良(小説家)

高度経済成長期とともに駆け抜けた青春時代

この春、上梓された自伝的経済小説『破天荒』では、1958年、高校中退の主人公・亮平が石油化学新聞の採用試験に合格するところから始まる。亮平とは、高杉の本名、亮一を一字変えたもの。もちろん自身がモデルだ。

これまで出版された作品数はおよそ80作にも上る。自伝的小説はこの『破天荒』(新潮社)が2作目となる。高杉が17歳で書いた処女作『自轉車』も収録

「新聞に求人広告が出ていたから半分、冷やかし気分で受けてみたんです。応募したのは本当にたまたまでした」

19歳にして、40倍の競争率を潜り抜け見事合格。しかし、面接での自信に満ちた強気の発言や屈託のない態度には驚かされる。多少、小説的な演出もあるのかと思いきや、ここに描かれたことはすべてほぼ事実だという。

「成冨健一郎って創業者が僕を見るなり、『こんな若造に』って言うんですよ。僕は業界紙ならどこにでも入れる自信もあったから、その時、編集長の高橋幸夫さんに『こんなところに誰が来るもんか』って言ったんです。でも高橋さんがなぜだか僕のことを気に入ってくれて、『何とか説得しとくから』と。僕は運が強いと思う。強運」

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