総合農業企業・興農園 高収益農業モデルで次世代農業を切り拓く

熊本を拠点に農業資材の供給から施設園芸、試験研究、スマート農業支援まで手掛ける総合農業企業の興農園。近年は自社試験農場で蓄積した知見を活かし、高収益農業モデルの展開や新事業創出にも力を入れている。地域農業の未来を見据えた同社の成長戦略について、代表の田中あや氏に聞いた。

田中 あや 興農園 代表取締役社長

顧客価値を軸に進化する
地域密着型の総合農業企業

興農園の歩みは、1948年に熊本市で種苗や農業資材の卸売を始めたことに端を発する。現在は地域農業を支える総合農業企業として、資材供給から先端技術の導入支援まで幅広く事業を展開している。

同社の事業の最初の転換点は、1965年頃のビニール加工事業への進出だ。現在の拠点である植木町に工場を構え、ハウス用フィルムの加工事業を開始。加工から供給までを担う体制を整えたことが、その後の事業拡大の土台となった。さらに、同社の成長を決定づけたのが、新素材への転換だった。

「従来の農業用ビニールは毎年張り替える必要があり、農家の方にとっては重労働で大きな負担でした。そこで父の代にポリオレフィン(PO)という新素材のフィルムへ転換したのです」と5代目社長の田中あや氏は語る。

POフィルムは軽量で強度が高く、張り替え頻度も2〜3年に1度で済む。農家にとっては省力化とコスト削減につながる一方、販売側にとっては売上減少の可能性もあった。

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