ビジネスが実現する 脱炭素ライフスタイルと魅力ある未来

待ったなしの気候変動対策。これをいかに魅力ある暮らしにつなげていくか、ローカルの視点からグローバルな課題に取り組むことが求められる。特にいち早く少子高齢化社会を迎える日本において魅力あるモデルを示すことは、国際社会にとっても意義深いものである。

 

「決定的な10年」の成否を決める
最後の機会

世界各地で異常気象が見られている中、国連のアントニオ・グテーレス国連事務総長が「地球沸騰化の時代が到来」と発言1するなど、気候変動への対応は喫緊の課題となっている。2023年のCOP28では、野心的な「国が決定する貢献」 (NDC)を2025年のCOP30前に開催より前に提出することを決議している2。これが2020年代のいわゆる「決定的な10年」の成否を決める最後の機会といえ、今後の動きが注目される。

日本国内でも国会で2050年までの脱炭素社会の実現を目指す旨が宣言3されて以降、様々な動きが見られている。この中で、省エネ・再エネの促進や暮らし方の見直しといった、一般市民の行動(脱炭素ライフスタイル)がより重要となっている。

日本の二酸化炭素排出量のうち、約2割が家庭からの排出であり4、この削減が不可欠となっている。地球温暖化対策計画(2022年10月22日閣議決定)では、2030年度の温室効果ガスについて2013年度比46%削減を目標としているところ、家庭部門では同約66%の削減を目安とされている。

また、脱炭素社会の実現には、土地利用や材料製造などエネルギー以外の対策が必要であることから、循環経済の構築も求められている5。この点、消費ベース(カーボンフットプリント、CFP)から見ると、約6割がライフスタイルに起因している(図1)。このため、日々の暮らし方を見直すことも、脱炭素には重要となっている。

図1  消費ベース(カーボンフットプリント)から見た我が国の温室効果ガス排出量


注:対象期間は2015 年1 月1日から12 月31日

出典:南斉規介 (2019) 産業連関表による環境負荷原単位データブック(3EID) 国立環境研究所; Nansai et al. (2020) Carbon footprint of Japanese healthcare services from 2011 to 2015. Resources, Conservation &Recycling, 152.; 総務省(2015) 平成27 年産業連関表に基づき公益財団法人地球環境戦略研究機関(IGES)が作成

 

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