世界で支持される農薬を開発 創造する科学で社会に貢献

クミアイ化学工業は「いのちと自然を守り育てること」をメインテーマに、農薬を中心とした革新的な農業生産技術や化成品の開発・提供などの事業を展開。2023年10月には新たな化学研究所「Shimizu Innovation Park/ShIP」の本格稼働を開始し、イノベーション創出を目指している。

高木 誠 クミアイ化学工業 代表取締役 取締役社長

農民のための農薬製造から
研究開発型企業に発展

クミアイ化学工業の事業は1928年に、現在の静岡市清水区における柑橘同業組合の農薬製造から始まった。1949年には、その「農民のための農薬製造」という精神を引き継いだ庵原農薬株式会社を設立。1959年には、国産第1号となる農薬を発売し、1968年に、クミアイ化学工業に社名を変更した。

「現在の事業では農薬が約8割、化成品が2割弱を占めます。農薬を中心とする研究開発型の企業で、世の中に存在しない化合物を作り、それを農薬として開発、販売しています。創造する科学を通じて『いのちと自然を守り育てる』ことをメインテーマとし、安全・安心で豊かな社会の実現に貢献するというのが企業理念です」。

代表取締役社長の高木誠氏は、こう語る。世界の人口は増加が続いており、2050年には97億人に達するといわれている。しかし、農業に使用できる土地や水は限られ、将来的には食料不足の深刻化が予想される。

「世界的に人口が増え続ける中、十分な食料を確保していくには単位面積当たりの収穫量を上げることが必要です。また、農業や農地をしっかり維持することは、防災や環境保全の観点からも大切で、そこでは農薬が重要な役割を果たします」。

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