エネルギーと食品の尾賀亀 次の成長に向けM&Aで事業を強化

滋賀県近江八幡市に本社を置く尾賀亀は創業170年近い歴史を持ち、時代の変化に合わせながらエネルギー事業と食品事業の2本柱でそれぞれの事業を進化させてきた。事業の再構築を進めており、成長性が見込める食品事業に軸足を移しつつ、他社との共創を積極的に進める方針だ。

尾賀 健太朗(尾賀亀 代表取締役社長)

エネルギーと食品の企業
リーマン・ショックで承継が視野に

尾賀亀の創業は1856年。「扇屋」の商号で、当時の光源である行燈用の燃料として油脂の商いを始めたことから歴史が始まる。2019年7月、6代目社長に就任した尾賀健太朗氏は、「もともと創業者は菜種農家で、搾油した油を売るところから事業を始めました。その後、燃料が菜種油から灯油へと切り替わっていったのにあわせ、石油を扱うようになりましたが、電球の登場で灯油の需要も減ってしまいます。そこで1895年頃に新たな事業として砂糖、小麦粉、雑穀などを扱う食品原料卸に乗り出しました」と自社の沿革を説明する。

扱う商品こそ変われど、主力事業は今なおエネルギー事業と食品事業の2つだ。現在、エネルギー事業については、滋賀県内にガソリンスタンドを15カ所展開している。製造業や自動車整備工場向けに潤滑油や燃料を供給しているほか、航空用燃料も扱う。また、食品事業については砂糖、小麦粉、小豆、水あめなどを県内の和菓子屋、洋菓子店に卸している。ここ10年ほどで新たに非常用保存食の開発・販売や、海外から仕入れたオーガニック食品等の輸入販売も手掛けるなど事業を広げつつある。

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