日販グループHD 情報・文化を全国に届ける新たな取次の姿をデザイン
国内2大出版取次のひとつ、日販グループホールディングス。本・雑誌の取次事業をコアに、小売、エンタメ、コンテンツ、海外事業と多様な事業を展開する。出版不況が言われて久しく、全国の書店数も減少の一途をたどるなか、新たな取次の姿を目指し新事業に挑む。
文化を届ける企業として設立
インフラたる書店の価値は不変
「人と文化のつながりを大切にして、すべての人の心に豊かさを届ける。」をグループ経営理念に掲げる日販グループホールディングス。戦後の厳しい環境下、全国の生活者に情報を届けるべく、出版社と書店をつなぐ流通を担うため1949年に創業した企業だ。
2024年4月に社長に就任した富樫建氏は「本や情報、文化的なものを人々に届けることに命をかけてきた。そこに我々のDNAがあり、その使命感が今ある流通網を構築したと言えます」と話す。時代とともに出版取次が扱うものは、紙の本・雑誌から情報、文化、生きがいや感動へと多様化し、現在は出版取次をはじめ、雑貨、コンテンツ、エンタメ、ブックホテルや海外事業まで各分野に事業領域を拡大し、成長を続けている。
「当社のコアバリューは物流を担う流通網。そして、全国の書店という、地域のカルチャーを支えてきたインフラとのネットワークです。これが、今後の成長のエンジンになると考えています。ビジネスモデルこそ変革を求められていますが、情報が人に届く場としての書店の価値は本質的には色あせていない。それを、どう持続可能にしていくかが、日販の最大の課題であり、成長戦略になっていくと思っています」。
新社長として体感する同社のターニングポイントは、当時の社長である平林氏が決断した2019年のホールディングス体制への移行だという。
「事業を拡張できる体制を構築したことは転機になっています。ホールディングス体制にすることで、経営・事業において、よりスピード感を持って多角化を推進できる権限移譲を実現し、ネットワークがさらに広がるような拡張性を手に入れられたと思います」。
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