商社×製造×研究開発で 未来へ向けた「ユニークネス」を発掘

化学品を基盤に幅広い素材を扱う商社として事業を広げてきた長瀬産業。長い歴史の中で、「メーカーのような商社」へと独自の成長を遂げてきた。2025年度を最終年度とする中期経営計画「ACE2.0」を進めながら、200周年を迎える2032年に向けさらに進化するべく、次期中計の策定を進めている。

上島 宏之(長瀬産業 代表取締役社長)

間もなく創業200年
メーカー機能も持つ商社

京都の染料問屋をルーツとする長瀬産業。「創業から193年の歴史の中で、いくつかの変革を遂げ、現在に至っています」と同社社長の上島宏之氏は説明する。

最初の変革は、産業革命期の天然染料から合成染料への移行にともなう輸入商社へのトランスフォーム。その後、海外メーカーと合弁会社を設立し、日本で製造業を開始した。戦後になると欧米、アジアへと積極的に海外展開。そして近年は、M&Aを活用した事業領域の拡大を図っている。

現在は世界約25の国・地域に約100のグループ会社を有し、機能素材、加工材料、電子・エネルギー、モビリティ、生活関連の5つの事業セグメントで幅広く事業を展開している。

「我々NAGASEグループの強みは、商社機能・製造機能・研究開発機能を持ち、これらの機能を掛け合わせることで、顧客や社会の課題やニーズに対し他にはないユニークな素材・製品・ソリューションを提供できることです。商社ですが、メーカーのような機能も持ち合わせています」。

地政学リスクの拡大や原材料価格の高騰、為替相場の急激な変動など、これまでにない大きな変化がボーダレスに起きるなか、事業環境は決して順風満帆ではない。しかし、長瀬産業はこれまでも、世界大戦をはじめとする大きな変動期を、柔軟に変容することで乗り越えてきた。

「現状の地政学リスクは、我々にとってリスクであると同時に、サプライヤーの多元化や代替品確保などの面でビジネスチャンスだと捉えています。また、これまで国内外で築いてきたネットワークから重要な情報をいち早くキャッチしてビジネスパートナーに提供することで、信頼関係をさらに深めていくこともできると考えています」

商社の機能であるネットワークを最大限に活用して顧客にリーチし、顧客やその先にある社会のニーズを的確に捉え、製造、研究開発機能を駆使し、独自のソリューションを生み出していく。

サプライチェーンを見渡し
独自のビジネスを構想

2023年に社長に就任した上島氏は、中期経営計画「ACE 2.0」で掲げた主要施策を継続しながら、成長へ向けた土台をつくるため「Quick Win」として様々な施策を実行してきた。

「就任1年目は組織を変え、権限移譲を進め、会議体を効率化しスピード感を上げ、マインドの変革と経営の土台づくりを進めました。2年目となる2024年は、グループ全体を筋肉質に転換する施策を進め、数字の経営から率の経営へシフト。過去最高益という結果を出すことができました」。

次の中計を見据え力を入れていくのが、ユニークネスの追求。「身近に存在し、すでに誰かが発見したビジネスのヒントであっても、誰もやらない領域まで突き詰め、想像もつかないレベルにまで極めていく。それが独自の優位性を持つユニークネスになると考えています。5年先、10年先にNAGA SEにしかできない、競合のないビジネスを収益の柱にしていくことがユニークネスの狙いです」

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