「生活に溶け込むヘルスケア」をデザイン &MEDICAL

通販市場向け商品開発会社のドリームによるデザインと科学を融合した新ブランド「&MEDICAL」が人気を集めている。健康への意識が高まる中、「生活に溶け込むヘルスケア」をテーマにした商品は、2022年度グッドデザイン賞を4件受賞するなど、対外的評価も高い。

文・矢島進二 日本デザイン振興会 常務理事

 

今年で34期目を迎えるドリームは、卸業からスタートし、現在は通販及び店舗販売も手掛けている。様々な専門家との共同開発が特徴で、近年は美容・健康商品に注力しており、4つ目に立ち上げた事業ブランドが「&MEDICAL」だ。

同社で&MEDICALの商品開発と企画営業を担当する佐藤明香氏から、プロジェクト発足の経緯を聞いた。

「&MEDICALは、2015年にスウェーデンのデザインユニット『CKR』と組んで開発した、電動マッサージ器からスタートしました。コロナ禍以降、健康的な新しいライフスタイルを提案する運動アイテムや姿勢サポートシートなど、商品カテゴリーを大幅に拡充し、ブランドをリニューアルしました。ただ、どんな商品を開発するかまでは社内でできますが、どう見せて価値や魅力を伝えるかは、客観的な視点をもつ外部デザイナーに担ってもらうべきだと考え、2020年末にプロダクトデザイナーの橋倉誠氏に打診しました」

橋倉氏は無印良品をはじめとする国内外のブランドのデザインを手掛ける他、インテリア、アートディレクション、企業のデザインコンサルティングなど、幅広いデザイン領域で活動を行なっているデザイナーだ。

ブランドの最初の印象を橋倉氏に聞くと「商品サンプルを見たところ、デザインよりも機能を追求したかたちで、ディテールはあまり洗練されていない印象でしたが、身体的な強いかたちのエッセンスを感じました。まだデザインがあまり入り込んでない領域なので、そのエッセンスの価値を損なわないよう、暮らしと調和するデザインが実現できれば、良いブランドがつくれそうだと思い、参画を決めました。プロダクトだけでなく、ブランディングも含めてトータルのデザインディレクションを任せられたことも決め手でした」

&MEDICALのホームヘルスケアというテーマに関しては「コロナでライフスタイルも変わり、健康への意識も変わるタイミングでしたので、可能性を感じました。“日常の生活に溶け込むヘルスケア”を目指し、デザインと科学を融合させ、健康的なライフスタイル、上質な暮らしを提供するプロジェクトが始動しました」と橋倉氏。

日常生活に溶け込むヘルスケア

25アイテムにのぼる商品群は、「支える」「鍛える」「ほぐす」の3カテゴリーに整理されている。代表的な商品は以下3つだ。

①オーバル型バランスボール「MALLOW」は、空間に溶け込む独自のフォルムで、座り姿勢を体の動きに合わせてサポートし、日々のデスクワークで自然と体幹を鍛えられる。ブランドのアイコン的な商品として橋倉氏が提案したものだ。

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