日本唯一の工芸品サブスク 飲食・ホテルから圧倒的支持の理由
飲食店やホテルから絶大な支持を受ける、国内唯一の工芸品サブスクリプションサービス「CRAFTAL」。本事業を展開し、伝統工芸のビジネスプロデュースで多数の実績を持つCulture Generation Japanの堀田卓哉代表取締役に、起業の経緯や構想を聞いた。
文・矢島進二(日本デザイン振興会 理事)
3.11を起点に広がった「ローカルデザインブーム」は、コロナ禍により一層広範囲に浸透し定着した感がある。しかし、陶磁器製和飲食器の出荷額はピーク時の1/4に落ち込んでおり、さらにコロナ禍による相次ぐ飲食店閉店や限りなくゼロに近いインバウンド需要によって、伝統工芸の産地の実情は危機的な状況にある。
他方、「ステイホーム」の余波で、家具や日常品など身近なものは良きものを選ぶ機運がでてきた。また数年前から展延する「保有から共有」と符号し、サブスクリプションサービス(以下、サブスク)は、音楽や雑誌などを筆頭に消費行動の一部になりつつある。
そうした中、国内唯一の工芸品のサブスク「CRAFTAL(クラフタル)」を立ち上げ、グッドデザイン賞を受賞したのが、Culture Generation Japanだ。
代表取締役の堀田卓哉氏は、早くから海外志向を持ち、アメリカ留学中に南米の片田舎で「ドラゴンボール」の人気を目の辺りにして「文化は世界の片隅まで届く」ことに驚き、ソフトパワーに興味を持つ。
卒業後、日本と海外を繋ぐ仕事を探し、フランス企業の日本進出を手掛けるコンサル会社に入社。その後、ラグジュアリービジネスで有名なモナコ大学で国際ビジネスを学びMBAを取得。ここで日本企業の経営モデルの優位性や、日本のものづくり企業の先進性などを周りから聞き、「日本はポテンシャルはあるのに、発信が足りてない」と覚る。
帰国後、ホンダ初のコンサル会社を経て2011年に起業。Culture Generation Japanという社名には、経済に代わる価値観として、文化を誇りの源泉とする世代を生み出そうという想いが込められている。
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