2021年6月号
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地域経営の新機軸

時事テーマから斬る自治体経営 「若者・女性の雇用創出」の注意点

牧瀬 稔(社会情報大学院大学 特任教授)

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各地方自治体は、若者や女性の雇用創出を進めるために、様々な取組をおこなっている。しかし、期待したほどの成果が上がっていないケースが多いという。その原因と、注意点は何なのか。また、雇用を増やすためにはどのような視点で、どのような選択肢を検討すべきなのだろうか。

今回は若者と女性の雇用創出の注意点を言及する。続いて、雇用増を進める観点を簡単に紹介する。

国の若者・女性の雇用創出

国は若者と女性の就労支援に取り組んできた。厚生労働省は、①新卒者・既卒者等の就職支援、②フリーターや若年失業者等に対する就職支援、という観点から若者の就労支援を進めている。国が若者の就労支援に溶け組む背景は、同省のホームページに記されている。それは「大卒者の3割、高卒者の4割の方が、卒業後3年以内で離職している状況もあります。また、フリーター数は155万人前後で推移している(以下省略)」とある。これらを改善するために国は政策を展開してきた。

一方で、内閣府は「女性の活躍促進」という観点から女性の就労支援を進めている。国が女性の就労支援に取り組む背景は、内閣府の『男女共同参画白書』に毎年のように記されている。同白書によれば、社会全体や女性の意識変化、国際的に比較して女性の管理職への登用の低さなどが上げられている。同時に厚生労働省も女性の就労に関して多様な支援を進めている。なお、図表1は若者と女性の就労支援(女性の活躍も含む)に関する法律である。

図表1 若者・女性の雇用創出に関連する法律

出典:筆者作成

 

若者・女性の雇用創出のポイント

国の後押しを受けて、地方自治体は多様な観点から若者・女性の雇用創出を進めている。しかし、成果の上がらないケースがある。

問題提起を込めて言うと、成果が上がらない理由は、国の補助金と自治体の取組み姿勢に原因があると考えている。自治体は、国の補助金などを活用しようとすると、補助金を獲得するために「国のひな形にあわせて」申請することになる。すなわち、補助金の獲得が目的化しているため、地域の実情を押さえていないケースが多い。地域に即した事業でなくては成果が導出されない。

さらに言うと「国のひな型にあわせて」いるために、どの自治体でも同じような取組みとなってしまう。紋切り型の政策であり、魅力ある内容にならない。国の補助金を前提とするのではなく、地域の事情を把握し、地域性にあわせて若者・女性の雇用創出を進める必要があるだろう(地域の実情を把握した上で、国の補助金が活用できるならば、積極的に応募していくべきである)。

一つ事例を紹介したい。2016年6月、戸田市(埼玉県)は実情を把握するために「女性の育児と就労に関するアンケート」を実施した。同アンケートから、①戸田市の女性の就労形態は約45%が非正規雇用を希望、②就労条件は1日あたり6時間未満が半数近くを占める、③希望する出勤日数は週3~4日が半数以上、などが分かった。そのほか戸田市の女性が抱える潜在的なニーズが把握できた。

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