2021年5月号
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クリエイターの哲学

発・着・想のつくり方と伝え方 佐藤可士和のフィロソフィー

佐藤 可士和(クリエイティブディレクター)

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ユニクロ・楽天・セブン-イレブン・今治タオル。日常的に目にするこれらのブランドは、佐藤可士和氏がクリエイティブディレクターを務め、躍進を遂げてきた。特徴的なのは、デザイン、ロゴにとどまらず、事業そのものが社会に大きな影響を与えている点だ。同氏の哲学に迫った。

聞き手:事業構想大学院大学学長・田中里沙

 

佐藤 可士和(クリエイティブディレクター)

事業はひとつのメディアである

田中 可士和さんは多種多様な企業に事業のアイデアを提示されています。新たな事業を構想していくには、その企業の経営資源の生かし方を考え、見極めていくと思うのですが、発想・着想の視点、アイデアを形にするプロセスはどんな風に進むのでしょうか。

佐藤 事業はコミュニケーションのひとつのメディアだと捉えています。全ての活動をコミュニケーションとして捉えており、企業やブランドの本質を掴んで、それをピカピカに磨いて社会に提示することです。本質は言い換えれば「強み」となるので、イコール経営資源といってもよいかもしれません。事業を作ろうと思ってブランディングしているわけではないのですが、結果的にそうなっていることはたくさんあります。

例えば、ユニクロのUTプロジェクトは、柳井正社長の「Tシャツをなんとかしたい」という言葉から始まりました。UT以前は、グラフィックTを展開していましたが、ブランド構築の視点から見ると戦略的ではありませんでした。そこで、まずはTシャツだけではユニクロにとってのアイコンにならない、名前を考えなければと思い、記号化して「UT」とネーミングしました。Tシャツはキャンバスで、アーティストだけでなく全てのコンテンツがのっていくメディアであり、かつ商品で、しかもブランドを運営する上でのプラットフォームシステムをつくる構想を立てました。この取り組みを表現するにはショップがほしい。どこがよいか?という話になり、当時ユニクロの聖地であった原宿店を丸ごとUTストアに変える提案をしました。売り方は、飲料の販売方法に着想を得ました。飲料は、ラベルを変えて味を表現しますが、その構造を応用して、「未来のTシャツコンビニエンスストア」というコンセプトでボトル型のパッケージを何百種類も作って販売し、大ヒットしました。

ユニクロが展開する「UT」。飲料の販売方法に着想を得て「未来のTシャツコンビニエンスストア」というコンセプトでボトル型パッケージにして販売。

ポイントは、特別なデザインと1500円という価格でした。特別なTシャツを高額で売るところは沢山ありますが、もの凄い規模で安く、全世界で売ることはユニクロにしかできない強みであり、それこそが経営資源と考えたのです。

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