「100年に1度のチャンス」を活かせ 「幸福度日本1」の不変と革新

今なお「幸福度日本1」の評価を得続ける福井県。しかし、迫りくる環境変化が、「幸福度日本1」を支える伝統的な社会・産業構造に変容を迫ろうとしている。「100年に1度のチャンス」と県が期待を寄せるこの環境変化を活かすために、今、必要なこととは何か?

恐竜のオブジェで有名な福井駅では、北陸新幹線の延伸に備えた準備が進んでいる

「幸福度日本1」の県として知られる福井県。2年ごとに実施される「全47都道府県幸福度ランキング」において2014年度から2020年度まで4回連続で1位に輝いている。

同県の強みは、企業セクターと家計セクターが支え合う「福井スタイル」と呼ばれる相互依存システムにある。すなわち、中小企業を主体とする地場の企業群が、正規雇用をベースに、転勤のない安定的・長期的な雇用環境を県民に提供する。一方、県民は、三世代同居をベースに、職住近接、共働き、そして一家総出で勤勉に働き企業活動を支える。

就業率1位(2015)、正規雇用比率5位(2017)、三世代世帯割合2位(2015)、女性就業率1位(2015)1位、共働き率1位(2017)、高齢者就業率4位(2015)、障がい者実雇用率7位(民間企業、2017)、通勤通学時間ランキング(2016)44位などのデータがそれを裏付けている。

その結果として、個々の給与水準は高くなくても、世帯当たり平均1か月間実収入(勤労者世帯)では4位(2018)と高い。持ち家比率は3位(2015)、持ち家の住宅当たり延べ面積は2位(2018)である。子育て・教育にも熱心で小中学生(男女)の学力・体力とも過去10年以上にわたって全国1~3位につけている。

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