「異常が正常」の時代に揺るがぬ経営基盤を アース製薬川端社長
コロナ禍に伴う感染症対策への関心の高まりや巣ごもり需要の拡大で、2020年に売上・利益ともに過去最高を記録したアース製薬。川端克宜社長は好業績に気を緩めず、「ゼロベースで全てを変えていく」と断言する。
アース製薬は、1892年の創業以来、人々の生活に直結する医薬品、虫ケア用品や家庭用品などを手がけてきた。「ごきぶりホイホイ」や「アースノーマット」など、誰もが知る「虫ケア用品」は市場シェアの過半数を占めており、日本人にとってきわめて馴染み深い企業の一つだ。
川端克宜氏は2014年、42歳の時に、プロパー出身として初めて社の次代を託された。様々な改革を進めてきたこの7年間で、人の生命や健康と向き合うその事業を取り巻く環境も大きく変わってきた。
「社長に就任して以来、一回も普通の夏になったことはありませんでした」。川端氏はそう語る。
「世界的に、『数十年に一度』といった異常な気象が続いています。そして、今回のコロナ禍です。これからは『異常が正常』と考えていく必要があるでしょう。消費者を取り巻く環境や、経営の環境が変われば、それまでと同じことを続けるのではなく、ゼロベースの考え方で全てを変えていかなければなりません」
コロナ禍も世界的な異常事態だが、アース製薬にとっては、感染症対策への関心の高まりや巣ごもり需要の拡大などがプラスに働いた。2020年は売上、利益ともに過去最高となった。
「ただ、先々マイナスに転じるかもしれません。そうした変化にビクともしない経営基盤を作っていく。それが私の仕事だと思っています」
チャレンジする姿勢を社員に示す
日本MA-T工業会を設立
盤石な経営基盤を作る上で、川端氏が重視するのは、失敗を恐れず果敢に挑戦していく姿勢だ。そのためには、「社員に自主性やチャレンジ精神の重要性を繰り返し周知する一方で、会社も絶えず挑戦していることを行動で示す必要があります」と川端氏。
2020年12月、アース製薬などを中心に設立された「一般社団法人日本MA-T工業会」は、会社として新しい事業のあり方に挑む動きの一つだ。
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