震災復興と産業構造転換に成果 若年女性層の流出抑制が課題

震災復興と創生を同時/統合的に成し遂げてきた宮城県。商圏としての仙台経済圏は山形・福島・岩手にまで及び「仙台一極集中」と称される勢いだ。しかし、人口減、特に若年女性層の県外流出と県内出生率の著しい低さが同県の優位性を危うくしている。

35年の歴史をもつ「SENDAI 光のページェント」。デートコースにもなっている。大学が集積する仙台市には若者が多いが、多くが就職を機に県外に移る

2011年3月の東日本大震災で死者・行方不明者1万名以上という最大の被害を受けた宮城県。震災後、県として復興を最優先にしたことは言うまでもない。しかし、復興だけに注力していると、その間に、他都道府県の地域創生が先に進んでしまい遅れを取ることから、復興と創生を同時かつ統合的に推進するという難しい舵取りを余儀なくされてきた。

「宮城県震災復興計画」、「宮城の将来ビジョン」、「宮城県地方創生総合戦略」は2020年度をもって終了し、あらたに「新・宮城の将来ビジョン」が推進されることとなった。インフラなどハード面は概ね復旧した宮城県の現状と課題について検討したい

東北経済のリーダーとしての
宮城県の今

産業三部門別の総生産額の構成比を見ると、宮城県は1次産業1.3%(全国1.0%)、2次産業28.0%(全国27.0%)、3次産業70.8%( 全国71.3%)と、全国平均と概ね変わらない値を示している。しかし、第2次産業の中の製造業に着目すると15.1%(全国21.5%)と比率がやや低いことが見て取れる(以上のデータは2015年)。

もともと宮城県は、「西の横綱」コシヒカリに対して「東の横綱」と称された「ササニシキ」を開発生産して一世を風靡した農業県であるとともに、世界三大漁場のひとつ(金華山・三陸沖)を擁する屈指の漁業県であった。さらに言えば、東北地方の経済の中心地・仙台市を擁し、「支店経済」で活況を呈したサービス産業の盛んな地域でもあった。

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