アマゾン ウェブ サービス 行政DXを加速する AWS クラウド

行政のDX(デジタルトランスフォーメーション)を低コストかつ短期間で行うには、クラウド環境の利用が必要不可欠だ。こうした中で、アマゾン ウェブ サービス(以下 AWS )の導入が自治体で急速に進んでいる。 AWS を用いた最新の行政DX事例とその優位性を解説する。

行政クラウドに AWS が採用

政府は2018年6月、行政システムの構築に際し、クラウドの利用を第一候補(デフォルト)にする「クラウド・バイ・デフォルト原則」を発表し、加えて、行政手続きを原則、電子申請に統一するデジタルファースト法が2019年5月に成立し、今まさに行政のクラウドシフトが官民一体で進もうとしている。そうしたなか、総務省の「第2期政府共通プラットフォーム」が AWS 上に整備され、2020年10月より運用が開始された。

AWS とは、企業のシステム基盤として利用されるIaaS分野で世界シェアの約半数を占めるクラウドサービス。そのサービス数は175を超え、コンピューティングやストレージ、データベースからビッグデータ、IoT、AIまでを網羅する。アマゾン ウェブ サービス ジャパンのパブリックセクター技術本部で部長を務める豊原啓治氏は、「政府共通プラットフォーム第1期は各府省の情報システムを従来型の仮想化基盤(自前でサーバーを保有)に集約する運用でしたが、第2期では AWS クラウドが活用されています。これにより、 AWS のマネージド型サービス利用による作りこみの最小化によるコスト削減、管理の効率化、セキュリティ強化が期待されています」と話す。

豊原 啓治 アマゾン ウェブ サービス ジャパン
パブリックセクター技術本部 部長

行政のコロナ対応策も支援

AWS は2006年にサービスを開始し、日本では2011年に東京リージョン(データセンタ群)を開設、ユーザーからのフィードバックを元に、毎年新しいサービスや機能をリリースし続けてきた。「例えばコロナ禍でも、 AWS はAmazonの物流拠点で、価値を発揮しました。自粛生活でECを通じたお買い物の需要が増える一方で、物流倉庫内のソーシャル・ディスタンスを保とうとすると、出荷処理能力には制限がかかります。Amazonでは、世界的なパンデミックが始まってすぐに、 AWSの AI技術を利用して、倉庫内で人が密集する環境を可視化する仕組みを作り、倉庫内の安全対策をとりました。ソーシャル・ディスタンスを観測するDistance Assistantというツールは、現在、一般に無料公開しており、カメラとコンピュータがあればどなたでもお使い頂けます。こうしたイノベーションの速度が早いこともAWS の魅力となっています」

「特に、コロナ禍で社会のデジタル化が進むなか、行政は新型コロナ感染拡大の抑制と経済活動の再生に向けた多くの活動をクラウド上で行うようになりました。例えば、大阪府が独自に運用する『大阪コロナ追跡システム』は開発会社が AWS を基盤として活用し、数週間で実装まで漕ぎ着けたと聞いています。そうしたシステム構築の容易さも開発会社および自治体からの信頼を得られる理由の一つとなっています」と紹介する。

図表1 大阪府のQRコードを活用した感染症追跡システム

出典:アマゾン ウェブ サービス

 

翻って米国では、カルフォルニア州とメリーランド州で、コロナ接触者への電話窓口としてクラウドベースのコンタクトセンター機能『 Amazon Connect 』が活用された。豊原氏は「 Amazon Connect は、スタッフ7万人以上が使用するAmazon のカスタマーサポートと同じ技術を使っており、高い拡張性があります。初期費用は不要で、ランニングコストは使った分だけ。たった数時間で電話番号の取得からコールフローの作成、Webブラウザ上で受電・架電までが完了し、専門性のないユーザーでも簡単に操作することができます。例えば保健所の電話相談窓口に応用すれば、在宅前提の電話対応や他の地域の応援などに役立ちます」と紹介する。

行政サービスのDX化、加速へ

住民サービスの一環として、スマホのコミュニケーションアプリ「LINE」で自治体の公式アカウントを開設し、行政情報の配信、チャットボット等に活用する自治体が増えている。しかし、そういった機能を開発するための費用・スケジュール、開発会社不足などの課題があり、実現に至らない自治体が少なくなかった。そこで、LINE Fukuokaでは福岡市LINE公式アカウント開発の知見を活かし、自治体から要望の多い4つの機能のソースコードを「LINE SMART CITY GovTechプログラム」としてまとめ、2020年10月12日より無償提供を開始している。

「LINE SMART CITY GovTechプログラムのソースコードは、テンプレート化されており、 AWS 上に改変なく導入が可能です。これにより、開発コストやスケジュールの圧縮が見込めます。また、サーバレスのアーキテクチャを採用しているので、拡張性・持続性・運用性のメリットが享受でき、地域の"持続的な"スマートシティ活性化にも繋がります」。導入に際しては、 AWS のパートナー企業や開発事業者の紹介、コンテンツ内容の作成方法に関する自治体向け勉強会なども支援していくという。

一方、自治体庁内向けソリューションとしては、LGWANを活用した分析基盤がある。パートナー企業のBSNアイネットが提供する「iNET Cloud Gateway for LG『 AWS接続サービス』」は、LGWAN経由で AWS が提供するマネージド型サービスへのセキュアな接続を提供し、クラウド上での庁内データ保管、分析といった取り組みを支援するサービスだ。自治体はアカウントを用意するだけで、一定期間、専用線、LGWAN接続、ゲートウェイ費用を負担することなく、データ保管ストレージ「Amazon Simple Storage Service( Amazon S3 )」、データ分析を支援する「Amazon QuickSight」、デスクトップストリーミングサービス「Amazon AppStream 2.0 」などが使用できる。

図表2 地方自治体で進む AWS クラウド利用

出典:アマゾン ウェブ サービス

 

最後に、豊原氏は「今やオンライン・オフライン問わず自由に買い物できるように、行政サービスもオンラインの選択肢が増えていくことが重要です。取り組みやすい領域からクラウド活用のメリットを体感して頂くことで、行政のオンライン化を全国的に支援していきたいと考えています」と語った。

 

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