阿佐海岸鉄道 世界初のDMV本格営業運行で地域活性化

近年、鉄道やバスなどの地方交通機関の多くは、人口減少による経営悪化に悩まされている。徳島県最南端の海陽町にある阿佐海岸鉄道も例外ではなかったが、同社は現状を打破すべく、世界初となるデュアル・モード・ビークルの本格的な営業運行をスタートしようとしている。

井原 豊喜(阿佐海岸鉄道株式会社 代表取締役専務)

線路も走れるマイクロバス
デュアル・モード・ビークル

徳島県最南端のまち・海陽町と高知県最東端のまち・東洋町で、阿佐東線を運行している阿佐海岸鉄道。同社が今、新たに運行しようとしているのが、デュアル・モード・ビークル(DMV)と呼ばれる車両だ。「デュアルモード」、つまり2つの形態を持つ車両で、一つは従来通り阿佐東線の線路上を走る列車としてのモード。もう一つは、車道を走るバスとしてのモードだ。マイクロバスを改造した車両なので、「線路の上も走れるバス」と言った方が分かりやすいだろう。正式に本格的な営業運行開始となれば、世界初となる画期的な交通インフラの改革になる。そんな大胆な改革に踏み切った、同社の井原専務に話を伺った。

「阿佐海岸鉄道は1992年から30年近くにわたり、海陽町と東洋町の交通を支えてきました。しかし、過疎化のため利用者数は減る一方で、毎年のように赤字が続いていました。コストを削るのも限界で、地域住民は減るばかり。観光客を呼び込むにもコンテンツ不足、という状態でした。そんな時に、JR北海道で実証実験を行っていたDMVの存在を知ったのです。北海道では実用化を見送ったようですが、『全国から海陽町に観光客を呼び込むための起爆剤になるのでは』と阿佐東線での運行を決めました」

阿佐海岸鉄道では計3台のDMV車両を導入予定

DMVを運行するためには阿佐東線をDMV専用路線としなければならないため、既存列車の運行は2020年11月30日をもって終了とし、バスで代替輸送を行いながら、現在は2020年度内のDMV運行を目指して準備中だ。運行スタートまでにはまだいくつかのハードルがあるが、すでに鉄道ファンの間で話題になっているDMVが実用化すれば、インパクトは非常に大きい。DMVが地域観光に与えるメリットを、井原氏はこう話す。

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