デジタルアプリで実現 食品ロスの防止と従業員の働き方改革

SDGsに関するテーマの中でも注目の高い"食品ロス"。販売期限管理アプリ〈Semafor(セマフォー)〉は、商品管理を容易にし、食品ロスの防止を目指す。小売現場で働く従業員の負担軽減にもつながるというこのアプリについて、日本での導入を進めるスコープの皆川氏、小川氏に聞いた。

スウェーデン視察で見出した
販売期限管理ツール

SDGs先進国・スウェーデンのフードテック企業Whywaste社が開発した、販売期限管理アプリ〈Semafor(セマフォー)〉。小売店の担当者に対して、販売期限が迫った商品を教えてくれたり、期限が迫った商品の値下げなどのアクションを促したりすることで、食品ロスを防ぐ。小売や食品メーカーの広告・販促を手がけるスコープが、日本への導入を進めている。

左)皆川一郎 スコープ 第一営業本部 本部長 右)小川訓昌 スコープ SDGs推進室 室長

「私たちは、小売事業者におけるサステナビリティの取り組みを視察するためスウェーデンを訪れました。そこで出会ったのがWhywaste社。同社は"なぜ捨てる?"という社名が示す通り、小売店から食品廃棄物をなくすことをミッションとして掲げるフードテック企業です」(小川氏)

スコープとWhywaste社は2020年6月に、グローバル・パートナーシップを締結。Semaforは現在、日本国内の大手小売店やドラッグストア、ホームセンターなどでトライアルが開始されている。

「食品はもちろんのこと、ペットフードや園芸用の薬品など、有効期限のあるさまざまな商品を管理することができます。現在は導入検討中の企業様に、1~2カ月のトライアルを実施していただいているところです」(皆川氏)

期限内に売り切るアクション
を促し、食品ロスを防ぐ

小売業界には、食料品販売の際に、製造日から賞味期限までの期間を3等分し、3分の2ほどの時点を"販売期限"とする商習慣がある。販売期限が過ぎているものは廃棄処分となってしまい、多くの食品ロスを生んでいる。小売店がこれを防ぐには、値下げをするなど、期限内に売り切るためにアクションを起こすことが必要だ。

「アプリに登録した商品はリストで管理され、販売期限が迫ると、店舗が事前に設定したアクションが信号で通知されます。たとえば緑は『注意』、黄色は『値引き』、赤は『棚から撤去』など、現場の従業員が今何をすべきかがわかる仕組みです」(小川氏)

期限を管理する手間を省くことができるのも、Semaforの大きな特徴。スーパーなどでは月1~2回、棚にある商品の賞味期限をひとつ一つチェックする作業が発生し、それだけ時間やコストがかかってしまう。Semaforでは、棚にある『最も賞味期限が早い商品(販売期限が早い商品)』をアプリで管理するため、チェックにかける工数削減になり、従業員の負担軽減にもつながる。

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