金融事業を核に領域を超え公益追求  「目利き力」を活かした共創

地銀との提携による「第4のメガバンク構想」、大阪・神戸を拠点とした「国際金融都市構想」など数々のプロジェクトを先導し、日本の構造改革にも影響を与えているインターネット金融大手のSBIホールディングス。北尾吉孝社長に、現状の分析と今後の展望を訊ねた。

北尾 吉孝(SBIホールディングス 代表取締役社長)

「公益は私益に繋がる」
という理念で、地方創生

――新型コロナウイルスの影響で、様々な産業が影響を受けています。御社の経営環境はいかがでしょうか?

私たちはオンラインの金融業を中心としてやってきましたので、基本的に今の経営環境というのはフォロー(追い風)であると言えます。

また、金融サービス以外の投資事業についても、私たちは主にフィンテックやIndustry4.0、あるいはSociety5.0に関係する企業に投資してきましたが、やはりフォローの状況で、上半期も比較的好調に推移しました。

――御社の成長戦略の中で、特に力を入れている分野は何でしょうか。

私の経営思想の1つは「公益は私益に繋がる」ということです。それでは今、どのような分野で公益が求められるかと言えば、地方創生だと考えています。近年、地方の活性化に重要な役割を果たすべき地域金融機関が体力的に弱ってきています。それは短期的には日銀のマイナス金利政策の影響ですし、中長期的にはフィンテック企業の台頭や、高齢化、人口減少による地方経済のシュリンク、さらに地方の産業そのものが海外に出てしまったり、産業自体の老朽化という現状があります。

そうした苦境に喘いでいる地域金融機関を活性化することで地方創生につなげようと、私たちのグループの経営資源を投入して、この3年間、地域金融機関との提携を拡大してきました。

――国家目標である地方創生に向けた、地域金融機関との提携ですね。

はい。例えば証券仲介業に関しては、すでに42の地域金融機関と業務提携しています。投資信託一つとっても、私たちの品揃えは地域金融機関と一桁、二桁違いますから、私たちと一緒にやることで顧客に対して金融商品の選択肢を拡げることにつながります。結果として、顧客増やパフォーマンスの改善などにつながっています。

また、SBIマネープラザが地域金融機関と共同店舗を開くことで、多様な資産運用サービスの提供にも貢献しています。

島根銀行の業績が
劇的なV字回復を見せた理由

――御社の提携先の主な地域金融機関は、収益力が改善しているケースもありますね。

そうです。昨年9月、最初に資本業務提携を結んだ島根銀行がこの11月に発表した2020年4~9月期の決算発表でも、大きくコア業務純益、中間純利益を伸ばしており、コア業務純益は2017年3月期以来4期ぶりとなる中間期の黒字化を達成しました。提携当初に目標としていた中期計画最終年(22年3月期)より1年前倒しでコア業務純益の黒字化を目指すというV字回復を見せています。そういう意味では、当社の経営資源が有効に活用されてきたと言えるでしょう。また清水銀行も2020年4~9月期の決算が当初の業績予想を上回る結果となりました。

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