老舗ワイナリーが目指す、「ブティックワイナリー構想」の実現

近年世界的に人気が高まっている、日本古来のブドウ品種「甲州」でつくられた甲州ワイン。そんなワイン熱を追い風に、ワイナリーを山梨県観光のキラーコンテンツに育て上げようと、老舗ワイナリーのルミエールは見学や宿泊機能を備えた「ブティックワイナリー構想」の実現を目指している。

木田 茂樹(株式会社ルミエール 代表取締役社長)

6次産業化を実践する
創業135年の老舗ワイナリー

日本ワインの発祥地で、生産量とワイナリー数ともに日本一を誇る山梨県。特産ブドウ「甲州」で造られた甲州ワインは、その繊細でクリーンな味わいから世界的に人気が高まっている。そんな甲州ブランドの人気を支える立役者が、国内外のコンクールで数々の入賞を果たしてきたルミエールだ。

創業は遡ること135年前。明治政府が殖産興業の一環としてワイン醸造を奨励したことを受け、1885年に前身となる降矢醸造場を設立。その後、会社組織となり、1992年に株式会社ルミエールに。同じ土地に根差した家族経営のワイナリーとしては、最古と言われるうちの一つだ。

5代目社長を務める木田茂樹氏は「大切にしてきたのは、創業者・降矢徳義が掲げた『本物のワインは本物のブドウから』『百姓から販売まで自営なり』というモットーです。雑草など自然の力を活かした自社農園でのブドウ栽培からワイン醸造、瓶詰め、販売までの全てを自社で行う6次産業を続けています」と話す。

ボルドースタイルの赤ワイン製造が主。メルロ、カベルネソーヴィニヨン等を栽培

工学部出身の木田氏はデザイン会社などを経て、1995年に義理の父親である塚本俊彦氏が経営する同社の東京営業所に入社し、2005年から現職に就任。先代が立ち上げた「ルミエール」ブランドの品質向上を目指すとともに、シャンパーニュ地方の伝統製法を採用した甲州ブドウを使ったスパークリングワインを開発し、英国の日本国大使館でお客様を迎えるワインに採用されるなど、現在の主力商品へと押し上げた。また、2011年からは甲州ワイン海外輸出プロジェクト「Koshu of Japan」に参加し、欧州や東南アジアなど海外への輸出にも注力している。

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