製造業支える横河電機のDX データを駆使し、新たな価値を創造

計測、制御、情報の技術を軸に最先端の製品やソリューションを世界各地のプラントや研究所に提供する横河電機。B to Bの有力企業だ。DXを活用した組織づくりや人財育成について、代表取締役社長の奈良寿氏に聞いた。

――デジタルトランスフォーメーション(DX)に関する、御社の取り組みについて教えてください。

奈良 横河電機は計測、制御、情報の技術を軸に最先端の製品やソリューションを提供し、製造業を支えるB to B企業です。1915年に創立した電気計器の研究所から始まりました。現在は、世界60か国以上に拠点をもちグローバルに事業を展開しています。

奈良 寿(横河電機 代表取締役社長)

私たちの事業で特徴的なのは、システムや機器を納品した後、プラントが稼働してからその役目を終えるまでお客様との関係が長期間続くという点です。素材産業などのプラントは数十年にわたって稼働しますから、私たちはその間、設備を見守り続けます。このため、各地にサービス拠点を造っています。プラントは生き物のようなもので、常に同じ状態ではありません。増改築を行ったり、ソフトウェアを改造したり、常に改善していく必要があります。弊社はプラントの継続的な変化やデータを熟知しているという点で他社にはないアドバンテージがあり、それを基に色々な提案をしています。

製造業におけるデジタルトランスフォーメーションは目的ではなく、あくまでも手段です。デジタル技術を使って、より効率よくビジネスを進められるよう、企業自体を変革することがゴールとなります。それにはマインドセットをDX中心にし、それに合わせた企業文化を作っていく必要があると思います。

弊社はDXについて、2つの定義をしています。1つはインターナルDXで、これは横河電機の企業内の改革です。例えば、従来の複雑なプロセスをシンプル化、見える化する、あるいはRPAを活用し、人はより創造的な仕事をするといった業務プロセスの見直しがあります。

もう1つはエクスターナルDXで、そこではお客様と協力してエコシステムを作り、お客様向けのサービスをそのプラットフォーム上で提供します。お客様のプラントの様々な操業データをベースに、例えば、プラントの生産性を上げるソリューションを提供したり、デジタル技術を使って全体を最適化していきます。お客様やパートナーの皆様と共有するDXで価値を創り出し、ウィンウィンを目指します。

横河電機は武蔵野市に本社を置く

DXを活用し、グローバルで
価値を提供できる会社に

――新型コロナウイルスの影響による不況が懸念される一方で、デジタル化の需要は増えています。

奈良 私たちの業界は、製造業の企業がモノを作るのを下支えする産業です。

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