2020年11月号
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地域特集 奈良県

筆づくりを300年 伝統の技術で新機軸の商品開発

水谷 豊(あかしや 代表取締役社長)

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古くから寺院が集まっていた奈良で、写経のニーズを満たすため発達した奈良筆。あかしやは、伝統的工芸品・奈良筆のメーカーとして、書家向けのハイエンド製品を供給しつつ、書道を始めたばかりの小学生向け製品や水彩画用、化粧筆などに事業の幅を拡大している。

水谷 豊(あかしや 代表取締役社長)

奈良筆は、弘法大師・空海が中国から伝えた製法に端を発すると言われ、1200年の歴史を持つ。日本の書道の書き方に合わせて発展し、1977年には伝統的工芸品に指定された。毛質と長さの異なる様々な動物の毛を組み合わせ、書きやすい弾力や穂先を持つ筆を作る。あかしやは江戸時代に創業した企業で、300年にわたって奈良筆を核としたビジネスを展開している。

奈良市のショールームでは、奈良筆に関する展示や、伝統工芸士による実演も見学できる

学校書道の風景を変える

あかしや代表取締役を務める水谷豊氏は、同社の13代目に当たる。大学卒業後はシャープに入社し、3年間家電の営業担当として勤務した後、あかしやに入社した。

寺院や書道家向けの高級筆メーカーだったあかしやの名前は、水谷氏が小中学生の「書道セット」を大きく変えたことで有名になった。平成初期まで一般的だった学校書道のセットは、ビニールコーティングされた無地のバッグに硯や墨、墨汁、筆などを詰めた、実用一辺倒のもの。

「そこで、書道具を入れるバッグに、汚れが目立たないデニム生地を使ってはどうかと考え、製品化したところ、大ヒット商品になりました」。

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