2020年10月号
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地域特集 滋賀県

琵琶湖の森を守る新プロジェクト 間伐材を高付加価値の製品に

大林 恵子(kikito代表理事)

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間伐材を紙などの付加価値が高い製品に変え、琵琶湖周辺の森を元気にしていく取り組みが、滋賀県の一般社団法人「kikito」によって進められている。多くの人々に森への関心を持ってもらうための、「森づくり構想」も計画されている。

水源林の間伐材を
高付加価値の製品に

日本最大の湖で淀川水系1400万人の水源である琵琶湖は、その周りを囲む「びわ湖の森」によって支えられている。その森と人との関わりが失われつつあることへの危機感から、課題解決に向けて設立されたのが、一般社団法人「kikito(キキト)」だ。

2008年に「湖東地域材循環システム協議会」が発足し、2012年にその事業の一部が一般社団法人に移された。その活動で中心的な役割を果たすのは、琵琶湖の東側に位置する湖東地域の森林・林業の関係者や設計士、コンサルタント等多様である。

kikitoが設立された当時、日本の木材自給率は20%台で低迷していた。滋賀県の面積の約5割は森林だが、その多くは人工林で手入れをしなければ荒廃してしまう。しかし、価格が安い輸入材の影響によって国産材の利用が減少する中、滋賀県でも森林に関わる人は減り続けていた。

その課題を解決するために設立されたkikitoでは、森林所有者から間伐材を買い取り、関係企業と連携して、紙や木製品を企画・販売する事業を行っている。また、森林を次世代に引き継ぐため、森林所有者を支援すると共に、企業や消費者が森づくりに参加できる仕組の構築にも取り組む。

「間伐材の買取では、森林に少しでもお金が返る仕組みを作ろうと、当時としては市場価格より高い1トン=6000円という買取価格を設定し、その場で現金で支払っている。この仕組みを維持するためには、間伐材をできるだけ付加価値の高い商品に変えていく必要がありました」。

大林 恵子 kikito代表理事

kikito代表理事の大林恵子氏は、紙や木製品の企画・販売事業を始めたきっかけについて、こう説明する。その仕組みづくりは当初、難航したが、一般社団法人「木になる紙ネットワーク」の人々との出会いを通じて可能になった。そして誕生したのが、「びわ湖の森の木になる紙」シリーズだ。

現在、間伐材の買取量は年間200~300トン程度に上り、そのほぼすべてが紙になっている。kikitoが企画・販売する紙や木製品の売上げの一部は、翌年の間伐材買取りの原資となるほか「びわ湖の森」を元気にするために活用されている。例えば、コピー用紙の売上金には、1㎏につき5円の協力金が含まれている。

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