訪日客へ、検索エンジンやマップで届けたい観光情報を発信

海外からの観光客に地域の魅力を伝えるには、検索エンジンやマップ、口コミサイトへの対策も重要だ。Yext(イエクスト)は適切な情報発信をサポートするサービスを展開する。

宇陀 栄次 Yext/ユニファイド・サービス 代表取締役会長

自社サイトへの到達は
検索の3割以下

Yext(イエクスト)とYextのパートナーであるユニファイド・サービスの代表取締役会長を務める宇陀栄次氏は「旅先で食べたい物を検索し、店舗に訪れるというのはありふれた光景となりましたが、その際スマホ検索から自社サイトに到達するのはわずか27% です。ほとんどがGoogleやGoogleマップ、さまざまな口コミサイトに辿り着き、そこで終わってしまうのです」と訴える。SEO対策(検索エンジン最適化)は自社サイトを検索結果の上位に表示させることはできるが、検索エンジンやマップにおける自社ブランドの強化にはつながらないのだ。

宇陀氏は、情報発信時に考慮すべきはユーザーの環境にあると説く。検索結果は検索エンジン、検索時の場所やデバイスなどによって変わってくる。「中国ならBaidu(バイドゥ)、韓国ならKakao(カカオ)と、それぞれの国で使い慣れた検索エンジンやマップ、SNSで、自社の情報が正しく表示される必要があります」。

では、Baiduなどから検索されるために、自社サイトを中国語化すればよいのか。宇陀氏の答えはノーだ。「中国政府が情報を管理しているので、Googleではほとんど検索されません。逆に、Baiduや中国のSNSに対して中国語で自社情報を提供すれば、旅前や旅中でも検索され、集客に効果的です」。

正しい情報を検索結果に表示

自社サイトにいくら綺麗な写真を載せても、ユーザーがSNS上で公開した写真のほうが検索エンジンで上位に表示されてしまう。これもよくある悩みだが、場合によってはブランド毀損や風評被害につながりかねない写真が上位に来ることもある。地名での検索となると、その影響はなおさら計り知れない。

宇陀氏は「福島には素晴らしい観光名所や美味しい食べ物がたくさんあります。しかし、"Fukushima"と検索すると、原子力発電所の写真ばかりが出てきて、いまだに現在の正しい情報が反映されていないのです」と力を込める。

そうしたなか、有効な手立てだと考えられるのがYextのプラットフォームである。Yextは世界150以上の検索エンジンやマップ、SNS、音声アシスタントなどと連携し、それらのデジタルサービスに情報発信するクラウドサービス。企業は自社に関する情報を管理し、その情報が見られているデジタルサービスに正確な情報を届けることができる。

「三重県と連携し、県内の正しい観光情報を発信する実証実験を実施しています。全県の観光関係団体などを対象とした規模でYextが利用され、情報発信が行われる取り組みは三重県が初になります。皆様の地域でもYextを通じてさまざまな支援をさせていただきたいと思います」。

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