2020年5月号
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地方創生の実践へ 議会質問のヒント

地方分権を問い直す 国主導という「上からの分権」の再考を

牧瀬 稔(関東学院大学 法学部地域創生学科 准教授、社会情報大学院大学 特任教授)

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「地方分権」への関心は、2000年代前半にピークを迎えたが、「地方創生」が始まった2010年代半ば以降、地方分権に関する議会質問は大幅に減少している。国主導の地方分権から脱却するためにも、再度、「地方分権」を考える時期に来ている。

最近耳にしなくなった言葉に「地方分権」がある。地方分権とは、国がもっている地方に関する決定権や必要な財源を地方自治体に移したり、国の地方自治体に対する関与を廃止・縮小したりすることで、住民に身近な行政サービスは住民に近い地方自治体が実施することができるようにする取り組みである。

また、地方分権は住民に身近な行政サービスを地方自治体の判断で決められるようにする取り組みでもある。このことを筆者は「地方自決権」と称している(あるいは「地域自決権」としている)。地方分権は、地方自治体のことは地方自治体が責任を持って決めていく権利の確立でもある。今回は「地方分権」に関する議会でのやりとりを紹介する。

議会質問等における
「地方分権」の動向

図表1は「全国47都道府県議会議事録横断検索」を活用した「地方分権」に関する議会質問等の推移である。議会からの質問と執行機関の答弁が含まれている。図表1を確認すると、1990年代前半から右肩上がりで増加してきたことが理解できる。2004年にピークを迎え、2010年以降は逓減している。

図表1 都道府県議会における「地方分権」の質問等の推移

出典:全国47都道府県議会議事録横断検索

 

地方分権に関する議会でのやり取りは1970年代後半から確認できる。当時は「地方の時代」というスローガンが浸透しつつあった。当時の神奈川県知事であった長洲一二氏が提唱したと言われている。地方の時代に関連して、地方分権も議論された。しかし、国を巻き込むことはなく、大きな波にはならなかった。

2000年にピークを迎えたのは、同年4月から施行された「地方分権の推進を図るための関係法律の整備等に関する法律」(通称「地方分権一括法」)が影響している。同法は全部で475本の関連法案からなる。同法は機関委任事務制度を廃止にし、国の関与のルール化等が図られた。

図表2は各都道府県議会における「地方分権」の質問等の回数である。北海道が993回と最も多く、次いで鹿児島県が867回となっている。都道府県によって、議会で取り上げられる回数に大きな差があることが理解できる。以下では、簡単に地方分権に関する議会質問等を紹介する。

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