スポーツクラブからヘルスケアへ 連携で地域に新たなビジネスを

会員制のスポーツクラブを経営するルネサンスは、社会的ニーズの変化に対応し、高齢者向けのサービスを強化。企業で働く人の健康増進へ、官民一体となって「健康経営」の推進を目指す。また、自治体の遊休施設を活用し、ジムを核としたコミュニティの健康増進や、雇用創出にも挑戦する。

高﨑 尚樹(ルネサンス 取締役専務執行役員 健康ソリューション本部長)

ルネサンスは、スポーツクラブ事業を基盤に、自治体や企業等での健康づくり事業、介護リハビリ事業などを積極的に展開している企業。国内外に166カ所の施設を運営する。その他競泳選手の育成では、オリンピック出場者を出した実績を持つ。

ニーズの変化に対応

日本でスポーツクラブが一般化したのは1980年代後半のこと。サービスの定着以降は、利用者の高齢化が進んだ。30年前はシェイプアップを目指す20代女性がメインユーザーだったが、今では利用者の半分を50代以上の中高年が占める。ルネサンスではこのようなユーザー層の変化に合わせて、新しいビジネスを開発してきた。

その1つが、リハビリ特化型のデイサービス施設「元氣ジム」。介護認定を受けた高齢者と、要介護ではないが、介護予防・日常生活支援総合事業の対象になっている人に向けサービスを提供するもの。東北地方や中国地方等では、フランチャイズでの展開を進めている。ここで蓄積したリハビリのノウハウを生かし、2018年8月には脳梗塞を発症した現役世代も含めたリハビリ特化型デイサービス施設「ルネサンス リハビリセンター鎌倉」を開設した。元氣ジムと同様に、理学療法士が常駐しており、動作を支援するロボットなども取り入れて、機能を回復するための訓練を行っている。

同社が、ヘルスケアのより広い領域へと進出する中で特に力を入れているのが、企業の従業員の健康増進の支援と、自治体と連携して取り組む住民の健康事業だ。企業向けの健康経営をサポートするサービスでは、運動や栄養指導を含む健康づくりプログラムを提供している。生活習慣の改善のため、スタートアップ企業と連携し、スマホアプリなどICTを活用。また、企業経営者に「健康経営」の概念を定着させるため、健康経営会議の運営や、各地でのセミナーも開催してきた。

2019年に7回目を迎えた健康経営会議は、企業経営者に従業員の健康維持の重要性や具体的な施策を紹介する一大イベント

「勤労世代の、運動による健康の維持・向上に関して様々な推進策が存在しています。私たちはそれぞれの施策を連携させるべく、横串を通してきました」と同社取締役専務執行役員 健康ソリューション本部長の高﨑尚樹氏は話す。

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