まちおこしゲリラ集団、マグロ女子会... 「大間」を世界の表舞台に

今や「マグロの町」として全国に名を馳せる青森県大間町。地の利の良くない本州最北端の地に、国内外の観光客を引き寄せる吸引力は、町民が一丸となって「面白いこと」に本気で取り組む姿だ。まちおこしを牽引する島康子氏は、「理屈こねる前に、まんず動け!」と多くの人を巻き込んでいった。

島 康子(Yプロジェクト 代表取締役)

1998年、都会暮らしを経て大間町にUターンした島康子氏。そこで感じたのは、地元の面白さだった。

「嫌で出て行ったはずなのに、言葉も人も食べ物も、毎日とにかく面白くてたまらなかった。町は変わっていなかったけど、自分の物差しが変わったんですね」

島氏は『ひみつの本州最北端』というホームページをつくり、面白ネタの配信を続けた。そして未知の人たちとつながるうちに、「本州のはじっこだという劣等感が、世界の中心だという感覚に変わった」。それが島氏をまちおこしへと駆り立てるきっかけになった。

まちおこしゲリラ集団が誕生

2000年、大間町がNHK連続テレビ小説『私の青空』の舞台になった。マグロ漁が盛んな大間町の名が全国に知れ渡ったこの好機を逃さず、島氏が有志を募って「理屈こねる前に、まんず動け!」「金がないなら、勇気を出せ!」を信条に立ち上げたのが、まちおこしゲリラ集団・あおぞら組だ。フェリーで訪れる観光客を「よーぐ来たのー!」の掛け声と共に大漁旗の旗振りで出迎えるというシンプルかつインパクトのある歓迎スタイルは、あおぞら組の真骨頂。今では地元高校生にも受け継がれ、すっかり定着している。

掛け声と共に、大漁旗の旗振りで観光客を出迎える

その後も、『オーマの休日』と題したPR映像の製作、Tシャツを広告媒体として活用する『マグロ一筋Tシャツ』など、斬新なアイデアを次々と繰り出し、町民を巻き込んで、まちおこしの最前線を走ってきた。島氏のその着眼点と行動力は「ゼロから何かをつくる、コトを起こすという訓練をリクルート時代にさせてもらった」経験に基づくという。

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