2019年9月号
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地方創生、第2幕へ

逆参勤交代で関係人口を倍増 地方創生と働き方改革の同時実現

松田 智生(三菱総合研究所 プラチナ社会研究センター 主席研究員)

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第2期地方創生総合戦略では、「関係人口」の増加にスポットが当てられている。現代の「逆参勤交代」からは、どのようなチャンスが生まれるのか。政府・自治体の有識者委員を数多く務める三菱総研・松田氏が語る、地域活性化の秘訣とは。

逆参勤交代とは何か

関係人口に注目が集まるなかで「逆参勤交代」を提案したい。逆参勤交代とは、大都市圏社員の「地方での期間限定型リモートワーク」である。江戸の参勤交代では江戸に藩邸が建設され、全国に街道が整備され、江戸に関係人口が増えた。これを逆に東京から地方に人の流れを創ることで、地方にオフィスや住宅が整備され、関係人口が増加する。一方、逆参勤交代社員は、通勤時間が短くなり、ゆとりある環境で仕事に集中できる。週に数日は本業、数日は地域のために働けば、地域の担い手にもなれる(図1参照)。つまり地方創生と働き方改革を同時実現するアイディアである。

図1 江戸の参勤交代と現代の逆参勤交代

出典:筆者作成

 

マスボリュームを動かせ

関係人口は、「観光以上移住未満」的な地域に思い入れを持った人の総称だ。人口が減る今日の日本では、移住者のパイの奪い合いは不毛である。地方と都市で人材を共有するシェアリングエコノミーが必要である。一方、今までの関係人口は一部のベンチャーやIT企業または「意識の高い人」に限定されてきた。これでは市場は広がらない。また人材の質の面においても「自分探しの若者やシニア」だけでは不十分であり、企業人材は有望である。

今必要なのは「マスボリューム」を動かすことである。例えばある大企業のミドルは、東北の復興支援で被災地に赴任した。彼曰く、最初は不本意であったが、実際現地で人材育成に携わると「人生観が変わる」貴重な経験になったそうだ。彼は「自分のような意識の高くない人が、地方に仕組みとして派遣されることが重要」と言う。

つまり逆参勤交代は、「程よい強制力」で大企業のマスボリュームを動かすことであり、関係人口を倍増させる切り札になり得る。それは本人、企業、地域にとって三方一両得をもたらす(図2)。

図2 逆参勤交代は三方一両得

出典:筆者作成

 

逆参勤交代は、目的・参加年代・期間に応じて多様な形態がある(図3)。ローカルイノベーション型は地方創生の新規事業化。リフレッシュ型はメンタルヘルス予防の健康経営。武者修行型は若手やミドルの人材育成。育児・介護型は故郷でのリモートワーク。セカンドキャリア型はシニア社員の人材流動化に活用可能である。

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