地方創生とスーパーシティ構想 生み出す勇気と政治プロセスが重要

2014年9月に、まち・ひと・しごと創生本部が設置されてから5年目を迎える今年。スーパーシティ構想などの実現へ向けた動きが進む中、地方創生をいかに加速させるのか、内閣府の展望と施策が示された。

片山さつき氏(内閣府 特命担当大臣)は、これまでの地方創生政策を振り返りつつ、今後を展望する基調講演を行った。

社会の在り方を根本から変える

2060年に1億人程度の人口が維持できる中長期展望を示し、5カ年の政策目標と政策を策定し、進めてきた地方創生。最終年を迎える今年、内閣官房・内閣府では、次の5年に向けた方向性を示すべく議論を進めている。

政府では、意欲のある自治体のプランに対し、毎年、地方創生推進交付金を出すなどして支援してきた。その中で、2016年には、全ての都道府県で有効求人倍率が1倍を超え、地方に働く場所が生まれている。

一方で2020年の東京オリンピック・パラリンピックを前に、東京への人口一極集中に歯止めがかからず、日本人移動者で見た場合、2018年ベースで、東京圏への転入超過は約13万6000人となっている。

内閣府特命担当大臣(地方創生)、まち・ひと・しごと創生担当大臣の片山さつき大臣は、「地方の魅力をもっと活かし、地方創生を加速する必要があります。次元の異なる大胆な地方創生を進めていきたい...」と話す。

2060年に1億人程度の人口を維持する中長期展望からスタートした地方創生だが、仮に1億人が維持できたとして、人口は今の5分の4に減っていくことになる。

「様々な社会が要求するサービス、クオリティ・オブ・ライフ。公的に供給されるサービスだけでなく、先進国の日本では今、当たり前に供給されているサービスが、今後の人口構造で維持できるのかという、究極の課題に、我々は今、直面しているのです」(片山大臣)。

そうした課題に対応するべく、現在、政府が急速に進めようとしているのが〈スーパーシティ構想〉。IT化、データ活用、ロボット活用、AI活用をしていかない限り、今後の人口構造で、現在の社会サービスをレベルを下げずに供給することは不可能だ。AIやビッグデータを活用し、社会の在り方を根本から変えるような都市設計が、今、求められている。

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