2019年5月号
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地域特集 香川県

人気のブランド魚「オリーブハマチ」 躍進を支える養殖技術

嶋野 文太(島野養魚 代表)

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ハマチにオリーブの葉を与えて、品質と味を改善したブランド魚「オリーブハマチ」。都市部の小売店・飲食店からも注文が相次ぐなど、大躍進を続けている。オリーブハマチが成功した背景には、養殖業者の研究と努力、技術へのこだわりがある。

オリーブハマチは、さっぱりとした味わいが特徴で、適度な歯ごたえと風味が魅力

世界で初めてハマチ養殖に成功した地であり、現在もその養殖が盛んに行われている香川県。そこで10年前に誕生したブランド魚が「オリーブハマチ」だ。

オリーブハマチは、オリーブ葉の粉末を加えたエサで育てられる。オリーブ葉には強力な抗酸化作用を有する成分が含まれており、普通のハマチは血合いの色がくすみやすい一方で、オリーブハマチは色鮮やかな身を保つ。味もしっかり脂が乗りつつ、サッパリ爽やかな後口を実現。誕生直後よりその品質が評判を呼び、県内はもちろん大都市の高級スーパーや有名寿司屋などからの注文が絶えない状態になっている。

どこよりも美味しいハマチを

このオリーブハマチの生みの親が、島野養魚代表の嶋野文太氏だ。ハマチ養殖が盛んな高松市庵治町の養殖漁師の家に生まれ、勉強は嫌いだったが、海と船に乗るのは好きだったという嶋野氏は、自然な形で家業を継いだ。

嶋野 文太(島野養魚 代表)

それから「どこよりも美味しいハマチをつくりたい」という思いでハマチ養殖に邁進してきた嶋野氏は、若くして同業者から一目置かれる存在になった。

天候や気温、雨量、エサの量などを記録した10年分の「魚類養殖日誌」を船に積み、細かにデータをチェック。さらに良い魚をつくろうと、独自でブドウポリフェノールや茶カテキンを与えたハマチを試作した。しかしキレイで美味しい魚はできたが、売れ行きは今一つだったという。

そんな嶋野氏に転機が訪れたのが2008年。香川県の水産課が、オリーブの持つ抗酸化作用を血合いの変色の早いハマチの弱点克服に使うというアイデアを思いついた。

しかしオリーブオイルは非常に高価で、使用すると採算を取ることが難しくなるため、注目したのがオリーブの葉だった。葉にもオイルと同じく抗酸化作用の強いポリフェノールの一種「オレウロペイン」が含まれており、小豆島産の葉が候補になった。

そして開発実験担当に選ばれたのが嶋野氏。これまでの研究や努力が、県の担当者に高く評価された結果だった。

天候や気温、雨量、エサの量などを記録した「魚類養殖日誌」。日々のデータの蓄積し、改良を続けている

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