伊豆に観光客を呼び込め ウェブアクセス分析で情報発信を改善

宿泊者数が最盛期の6割に落ち込んだ伊豆に観光客を呼び込むため、ウェブアクセスの詳細分析を実施、新しい発見が得られた。これを生かして、効果的な情報発信や観光客の満足度向上を実現する。

2018年度に始まった事業構想大学院大学 観光デジタルマーケティング研究会は、地域の自治体が、いかに周囲のステイクホルダーと共にデジタルマーケティング戦略を構築し、実践していくのかをテーマにした研究会だ。今回のシティプロモーションサミット2018 in 佐賀では、研究会に参加している静岡県副知事の土屋優行氏、神戸大学准教授の保田隆明氏、デジタルマーケティングに通じた静岡のGeolocation Technology社長の山本敬介氏が登壇し、伊豆地域において実施した調査・研究事例を公表した。

観光客の不満は情報収集

伊豆半島は、首都圏からのアクセスの良さ、温泉と海を武器に、高度成長期からバブル期まで一大観光地として名を馳せた。しかし現在の宿泊者数は最盛期の6割ほどだ。静岡県は、現代にマッチした効果的な観光マーケティングのヒントを得るため、研究会への参加を決めた。

はじめに、土屋氏は「県が観光客に対し来訪者満足度調査を実施したところ、伊豆地域においては旅行前・滞在中の観光情報の収集に問題があることが分かりました」と紹介した。情報収集について6段階評価で満足度を質問したところ、「大変満足」と答えた人は県全体で2割、伊豆地域では17%ほどと、弱点が明白になった。

土屋優行 静岡県副知事

一方、Geolocation Technologyは、静岡県三島市に本社を置くIT企業。IPアドレスからネットユーザーの位置情報を特定する技術「IP Geolocation」を開発、実用化したほか、ウェブサイトのアクセスログ解析などのサービスを提供している。同社は、研究会での議論に用いるため、伊豆地域7市8町の自治体公式サイト、観光協会サイトのアクセス解析およびFacebookレポートの分析を実施した。

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