2019年1月号
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地域特集 鹿児島県

個性強烈な鹿児島県 麹菌・黒酢・温泉が秘めるポテンシャル

嶋田 淑之(ジャーナリスト、産業能率大学兼任教員)

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鹿児島県は、九州各県の中にあって、群を抜いて“個性強烈”な県である。その個性の中核をなすのが農水産業と食品加工業であり、圧倒的な強みであると同時に時として弱みにもなっている。しかし、今、県東部から起き始めた新たな時代の胎動が、同県に競争力強化への可能性を切り開こうとしている。

県産品のブランド力&
輸出力強化の源泉

鹿児島県の農業産出額は全国3位(2016)で、産出額の60%以上を肉用牛などの畜産品が占めている。また、総農家数は減少しているものの農地集積により経営の大規模化が進み生産性が高いことも同県農業の特徴である。

特筆されるのは輸出が盛んなことで、とりわけ黒毛和牛は他の都道府県に先駆けて30年近く前から販路開拓が進められ、今では1次産品輸出の約9割(62億円、2016)を占める。黒豚などの豚肉の輸出額は4億円で今後の伸びが期待されている。

一方、漁業においても輸出は拡大しており、現在69億円(2016)。生産量全国1位の「ぶり」が実に9割を占め、売先は北米が主力となっている。また、「かつお節」に至っては2016年からフランスで現地生産を開始し、EUでの普及を進めている。

鹿児島県にとって、畜産品(黒毛和牛や黒豚)と水産品(特に「ぶり」)は、まさに「戦略的輸出品」と言ってよい存在である。

霧島市の妙見温泉「忘れの里 雅叙苑」、「石原荘」は観光特急「ななつ星」の宿泊先に指定されている。右は、坂元醸造の黒酢の壺畑から遠望する桜島

そして今、両者の輸出競争力をより強化する原動力となろうとしているのが、同県の誇る「芋焼酎・麹菌」と「黒酢」である。

本号別稿(河内源一郎商店グループ・山元紀子氏取材記事)で詳述したように、芋焼酎の製造過程で出る廃液を用いて同社が開発した麹飼料「TOMOKO」や、飲食店などから出る食品廃棄物に同社の麹菌を加えて精製する麹リキッドフィードは、畜産品の品質と生産性を飛躍的に高めてゆく力を有している。

また、霧島市福山町は、坂元醸造を核とする唯一無二の「黒酢」開発製造地であるが、黒酢を餌に加え抗菌剤不使用で育てた「さつま黒酢ぶり」は新たなブランドとして注目されている。特に“何を食べて育ったか”が重視される北米市場における県産ぶりのブランド力強化とシェア拡大に貢献し得るだろう。

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