数字で見る金融・保険 キャッシュレス化への対応に地域格差

フィンテックには世界の投資家の注目と投資が集まり、国内では低金利で利ざやの減少に悩む銀行の救いの一手と期待されている。キャッシュレス化の進行は大都市から地方へ波及しつつある一方で、現金の流通も増えているのが現状だ。保険大国と呼ばれている日本だが、少子高齢化の中で、個人向け商品では苦戦が始まっており、インシュアテックの活躍が待たれる。

フィンテックは、生活や企業活動の基盤である金融の姿を変え始めている。スマートフォンやICカードで買い物代金を支払うキャッシュレス決済は、既に若年層にとっては身近なものになっている。日本全体で見ると現金志向はまだまだ根強いが、2020年の東京オリンピック・パラリンピックに向け、キャッシュレス化は進んでいくだろう。金融の中でビジネススパンが最も長く、保守的とみなされてきた保険業の世界でも、インシュアテックのスタートアップが注目と資金を集め始めている。

初期は狭義の「金融」の枠にとらわれていたフィンテックは、プレイヤーの増加にともない、全く新しいビジネスの芽を生み出し始めている。それは、お金にまつわる「思い」の永久保存であったり、身の回りのあらゆる情報の貯蔵、利用や換金を可能にする情報銀行であったりする。お金と情報にプラスアルファの要素を加えることで、社会の課題を解決し、成長性の高いビジネスのアイデアが生まれる。

フィンテック企業に集まる投資

2012年から2018年上半期までの、フィンテック企業に対する世界中からの投資の推移。2018年は上半期だけで2017年の取引総額を超えた。Alipayを運営するアント・フィナンシャル社の約14億ドルの資金調達や、決済システム提供のWorldPay社の約13億ドルという大型案件が総額を押し上げたものだが、取引数で見てもフィンテック分野への投資家の関心は高い状態を維持していると見られる。

フィンテック企業への投資

出典:Pulse of Fintech 2018, Global analysis of investment in fi ntech, KPMG International (data provided by PitchBook) 9 July, 2018.

 


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