「世の中にないもの」をつくる 電気設備のオンリーワン企業

大地震後に停電から復旧した際の「通電火災」を防ぐシステムを開発するなど、電気設備の分野で、数々のオンリーワン製品を手掛けている河村電器産業。2019年の創業100周年を控え、新たな領域への展開も進めている。

河村 幸俊(河村電器産業 代表取締役会長)

――河村電器産業は配電業界のパイオニアとして、数々のオンリーワン製品を開発しています。自社の強みや特徴について、どのように見ていますか。

河村 当社は1919年(大正8年)に愛知県瀬戸市で創業し、以来、一貫して電気の安全を守る受配電設備をつくり続けています。

創業者はもともと、瀬戸の陶磁器の職人でした。新しい技術を修得するべく京都に出かけた時、日本初の市電を見て、「今後の社会にとって電気エネルギーはとても大きな価値がある」とインスピレーションを得て、絶縁のための磁器を手掛けたことが始まりです。

当社には、「世の中にないものをつくる」という我が道を行く社風があります。1961年には、業界に先駆けて『ホーム分電函(ぶんでんばこ)』を開発しました。同製品に「ホーム分電盤」という名称を付けたのも当社が最初でしたが、それを登録商標にしなかったのは、「独占するよりも普及させることに意義がある」と考えたからです。

また、国内で最も薄い『ブレードブレーカ』は、今まで不可能だった分電盤の大幅なコンパクト化を実現し、ブレーカにイノベーションを起こしました。

2015年には、本地工場(瀬戸市)の敷地内に「ものづくり道場」を設けました。研修や研究などに利用しており、ものづくりの知識や技能を後世に伝える場となっています。

当社は絶縁からスタートし、電気の「安全・安心」や「測定・監視・制御」などに機能を拡充し、成長を遂げてきました。現在、全国6ヵ所に工場があり、売上高500~600億円、社員数1800~1900名規模の会社となっています。

1961年、業界に先駆けて開発した『ホーム分電函(ぶんでんばこ)』

2015年に竣工した、ものづくりの知識や技能を後世に伝える施設「ものづくり道場」

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