2018年12月号
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地域特集 愛知県

クルマと名古屋飯だけではない愛知県 域外への魅せ方に工夫の余地

嶋田 淑之(ジャーナリスト、産業能率大学兼任教員)

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愛知県や名古屋市は、トヨタ自動車や名古屋城のほか、個性的なグルメで知られる。しかし、国内主要都市を対象としたブランド・イメージ調査において、名古屋市は最下位になるなど、その魅力は県外に届いていないという大きな課題がある。

「愛知県といえば浮かぶものランキング」というアンケート調査がある(gooランキング、2009)。これによれば、1位:トヨタ自動車(100)、2位:味噌カツ(71.6)、3位:ういろう(64.5)、4位:きしめん(61.3)、5位:名古屋城(60.0)…となっている。やや古いデータだが、今の目から見ても、一般的イメージとして十分納得の行くものだ。

トヨタが断トツの認知度を誇る一方、金鯱でお馴染の名古屋城を別にすれば、他は名古屋市を中心としたグルメで占められている。

やはり、日本国内において愛知県と言えば、まずはトヨタ、そして名古屋市ということか。そこで、本稿でもトヨタなど県製造業の状況を俯瞰し、続いて名古屋市について検討したい。

トヨタがコケても、
県内全てはコケない

製造品出荷額40年連続全国1位の愛知県は、日本を代表する「ものづくり県」であり、三河地方におけるトヨタを核とする自動車産業が全国的に高い知名度を誇っている。

しかし、自動車産業は基本的に輸出産業であるため世界的な経済変動の影響を受けやすい。2008年のリーマン・ショックは県経済に大きな影響を及ぼし、特に三河地方の中小零細企業群は受注減や単価切り下げに苦しんだ。

その経験から、一方においては、県産業界として自動車産業に過度に依存しない産業構造構築を目指し、尾張地方を中心に航空・宇宙産業や(医療介護等)ロボット産業の育成・強化を進めている。

他方、三河地方の中小零細企業では、リスク分散を目指して、自社の技術革新を通じた交渉力強化・取引先の拡大、製造業のサービス化、非関連分野への多角化などの取り組みが徐々に進んでいる。

“危機”の経験が県製造業の体質強化を促進しているわけだが、また発生するかもしれない世界的経済危機への“耐性”を今後果たしてどこまで強靭化できるかが問われる。それと同時に、こうした前向きな取り組みについては、より広く知られてよいだろう。

名古屋のブランドイメージは
なぜ最下位か?

名古屋市(観光文化交流局)では、2016年と2018年に「都市ブランド・イメージ調査」を実施しているが、その結果は衝撃的なものであった。

この調査は、札幌市・東京23区・横浜市・名古屋市・京都市・大阪市・神戸市・福岡市に在住の20~64歳でかつ在住年数5年以上の男女を対象に行われたが、2回とも、名古屋市が「最も魅力に乏しい都市」に選ばれてしまったのである。

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