2018年12月号
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地域特集 愛知県

元アイドルが伝統産業に新風 鬼瓦業界を救う最年少・女性鬼師

伊達 由尋(伊達屋 取締役)

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「業界の救世主」と呼ばれる女性がいる。衰退著しい鬼瓦業界にあって、斬新な制作コンセプトを創出し、前例のないビジネスモデルに挑戦。さらには鬼瓦の新用途を開発して、新規顧客層を開拓。革新的な取り組みを通じて、今業界内外から注目と期待を集めている。

伊達由尋(だて・ゆひろ) 伊達屋 取締役

バレリーナ、アイドルから
最年少・女性鬼師に

その女性とは、愛知県高浜市の鬼瓦製造企業「株式会社伊達屋」の伊達由尋さん24歳。2017年に愛知県鬼瓦技能製作士(鬼師)評価試験に合格した全国最年少の女性鬼師である。彼女は、4歳からバレエを始め高校時代にはベラルーシ共和国にバレエ留学したほか、日本国内でアイドルとして活躍したという異色の経歴を持つ。

手まり灯篭(上海芸術博覧会出品作品)、日中友好の願いを込めて制作

ここで瓦と鬼瓦について簡略にご紹介しておこう。

古来、「石州瓦」「淡路瓦」「三州瓦」が「日本三大瓦」と言われ、中でも三州瓦は全国シェアの70%を占めており、その生産の中心地が高浜市である。

そして、瓦の中でも、瓦葺き建築物(神社仏閣や伝統的な日本家屋)の大棟両端、降棟先端に厄除けや祈願のためにつける装飾瓦を「鬼瓦」と呼ぶ。

起源は、古代ローマ帝国時代にシリアのパルミラ神殿入口に魔除けとして設置されたメドゥーサ(ギリシャ神話に出てくる怪物)と言われ、これが中国を経て、西暦588年に日本に伝わった。以来、日本では“人智を超越した神聖な存在”として、家を守るべく屋根に置かれるようになり現在に至っている。

鬼瓦の制作は多くの伝統技術から成り立っており、「鬼師」と呼ばれる専門職人の手仕事によって担われてきた。伊達さんは、まさにその若き担い手である。

今や日本の瓦市場は往時の4分の1にまで縮小し、それに伴い鬼瓦業界も廃業が相次ぎ、鬼師の高齢化と承継者難が深刻化している。伊達さんへの期待が大きいのは当然だ。

そこで今回、「制作コンセプト」「ビジネスモデル」「用途・売り先」という3つの観点から彼女のイノベーションを見ていきたい。

どの角度から見ても
美しい作品が感動を呼ぶ

「鬼瓦は、従来“正面から見ること”を前提に制作されてきましたが、私はどの角度から見ても美しい瓦作品を作るよう心がけています。

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