先進3自治体に学ぶ、理想から考えるシティプロモーション戦略

シティプロモーションでは、地域の理想の姿から戦略を考え、戦術を構築していくことが望まれる。その実現に向けて、先進的な取り組みを行う自治体の事例に関する情報を共有しようと、「シティプロモーション事例研究会」が開催された。

事例研究会は表参道の事業構想大学院で開催された

事業構想大学院大学シティプロモーション研究会は、シティプロモーションのケーススタディの機会として、「シティプロモーション事例研究会」を開催した。1回目は2018年8月7日、東京都港区の事業構想大学院大学で開かれ、自治体や企業の代表者らが参加した。研究会では、埼玉県春日部市と戸田市、大阪府寝屋川市の3市の代表者が、各自治体におけるシティプロモーションの事例に関する講演を行った。

春日部市:「野原一家のような
暮らし」ができるまちをPR

春日部市は、東京都足立区の北千住駅から電車で約30分の距離に位置する。現在、人口が減少傾向にあることから、2013年に開始したシティプロモーション(シティセールス)では、市内への「移住促進」が最大の目的になっている。

最初の4年間は春日部市のブランドづくりを目指し、市の「8つの魅力」として①子育て、②食育、③藤、④川・水辺、⑤音楽、⑥麦わら帽子、⑦凧、⑧地場野菜等を掲げてきた。

「これには効果もあったと考えられますが、やはり8つも掲げると、ブランドづくりは難しくなります。また、商品が定まらなければ、セールスプロモーションはできません。つまり『誰に、何を、どのように』伝えるかという際に重要となる『何を』の部分が欠けていたのです」

仲田俊一 春日部市シティセールス広報課 主事

春日部市シティセールス広報課の仲田俊一氏は、従来の取り組みについてこう振り返る。そして、何を伝えれば市のプロモーションが成功するかと改めて考え、2つのポイントに到達した。それらは、都心からのアクセスの良さと、それに対する地価の安さだ。

都心への通勤が可能で、地価が比較的安いため、一般的なサラリーマン家庭が一軒家に住み、駐車場やペットも持つことができる。春日部市は漫画「クレヨンしんちゃん」の舞台として知られ、このような生活は、しんちゃん一家である「野原一家」の暮らしと似ている。市では今後、市内に移住すれば「野原一家のような暮らし」ができることを、特にPRしていく方針だ。

戸田市:住民主体のまちづくりで
活気づく都市を目指す

東京都に接する戸田市は、面積約18平方キロメートルの小さな都市で、堅実な財政運営により、36年連続で普通地方交付税不交付団体になっている。市民の平均年齢は40.5歳と若く、今後も人口は増加する見込みだ。他方で近年は、20~39歳の子どもを産む世代の女性の比率や子どもの数が減少傾向にある。

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