2018年11月号
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地域特集 茨城県

「知の集積場」つくば市の戦略 市民に最先端テクノロジーの恩恵を

五十嵐 立青(つくば市長)

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研究・教育機関が集積するつくば市では、2017年度から「つくばSociety 5.0社会実装トライアル支援事業」を開始。優れたテクノロジー系アイディアの実現をサポートしてきた。「世界のあしたが見えるまち」というヴィジョンを掲げ、世界のモデルとなる都市を目指す。

今夏には「国内初、車道でのモビリティロボット走行」を実現するなど、テクノロジーの社会実装に向けて着実に進んでいる

「科学のまち」の恩恵を
感じてほしい

約2万人が研究関連業務に従事し、国の研究機関の約3割が集積する『科学のまち・つくば』。2017年、つくば市はIoT、AI、ビッグデータ解析などのアイディアを全国から募り、その実証実験を支援する目的で『つくばSociety 5.0社会実装トライアル支援事業』を開始した。

「科学技術は人間社会や様々な環境に役立つためにあるものです。しかし、2年に一度市民に行っている意識調査の結果では、『つくばで暮らしていて科学の恩恵を感じたことがあるか』という質問に対して、市民の半数以上が『あまりない』、『ない』と答えています。筑波研究学園都市として科学技術が市民の身近にないことには、大変驚きました。

これからの未来にテクノロジーは欠かせません。そのテクノロジーの社会実装を手助けするフィールドは、つくばが一番適していると思っています。そこで、テクノロジー系などの新規事業の実装をバックアップし、最終的につくば市民がそれらを利用できるようサポートをすることで、市民に『科学のまちの恩恵を感じて貰えるのでは?』と思い、『つくばSociety 5.0社会実装トライアル支援事業』を立ち上げました」と、つくば市長の五十嵐立青氏は語る。

五十嵐 立青(つくば市長)

「つくばSociety 5.0社会実装トライアル支援事業」の審査に通過したプロジェクトは、「トライアルの実施に係る経費の支援(上限100万円まで)」、「オフィス等の施設支援」、「アイディア実現に向けたモニターのあっせん」、「大学・研究機関等とのマッチング支援」などの援助が受けられる。さらに、各プロジェクトの実現をサポートするために担当者が必ず1人は付くという手厚さも魅力だ。「スタートアップ段階では、適切なフォローを入れることが欠かせません。特に、事業を実行に移すまでの前段階と創業期はプロジェクト成功を左右する大切な時期。特段力を入れて支援します」とのことだった。

健康相談アプリの利用広がる

このように、選ばれたプロジェクトに対して経済的・知識的サポートを行っているつくば市だが、こうした全面的なバックアップのお陰で、2017年度に採択されたプロジェクトではすでに成果が出ているという。

「医療相談アプリ『LEBER』(開発企業:AGREE社)がその一つです。これは、スマートフォンを使って利用者が医師にチャット形式で健康面の相談ができるアプリです。本格的な運用をする前に、AGREEとつくば市が共同でモニター募集を行いました。今では正式にアプリ版が発表され、ユーザー数も増えています」

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