定住・移住促進に限界? 議会質問から読む「地方創生の岐路」

2016年と2017年、地方議会において「定住(移住)促進」に関する質疑は減少傾向にある。これは、地方圏の自治体を中心に「現実的には、人口減少の中で定住促進は難しい」という考えが、浸透しつつあるからと推測される。今、定住促進はターニングポイントに差し掛かっている。

図表1 「定住促進」等の議会質問の推移

(出典)全国47都道府県議会議事録横断検索

図表2 都道府県における「定住促進」等の質問回数

(出典)全国47都道府県議会議事録横断検索

議会質問における
「定住促進(移住促進)」の経緯

今回は定住促進(移住促進)を取り上げたい。

まずは「都道府県議事録横断検索」を活用して「定住促進」や「移住促進」等をキーワードに、議会において取り上げられた動向を確認する。図表1は都道府県議会における定住促進に関する質問などの推移である。

図表1から理解できるように、右肩上がりで増加してきた。特に2012年から2015年は急激に拡大している。一つ考えられる理由は経済が拡大期にあたり、それにともない人口移動が活発化しつつあったからかもしれない(特に都市圏への人口集中の傾向が強くなった)。

なお、2014年には「まち・ひと・しごと創生法」が制定されている。同法に基づき地方創生がスタートされた。この地方創生の動きも呼応していると考えられる。

しかしながら、2016年と2017年は低下傾向にある。筆者は、この理由は分からない。以前、某県の議員は「現実的には、人口減少の中で定住促進は難しい」と述べていた。このような発言は多く耳にする。ここから推測できることは、「地方創生疲れ」や「定住人口獲得競争疲れ」があるように感じる。その意味では、定住促進は分岐点にきているのかもしれない。なお、議会で定住促進が質問されたのは1970年代前半から見られる。

次に、各都道府県議会における「定住促進」等の質問回数を確認する(図表2)。どの都道府県も多くの議会で取り上げている。しかし0回の議会もある。これは、定住促進は都道府県がするのではなく市町村がすべきという判断があるのだろう。議会質問の実例は、次のとおりである。

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