副市長ラップで全国的な注目 秋田県湯沢市に「ストリート」の活況

やれない理由は「やる気がないから」以外にない――。地元の伝統や歴史ではなく、自分が憧れ親しんできた外の世界のカルチャーを持ち込み、まちに活力をもたらす。「湯沢ストリート村」は、まちのためになることを「自分たちの力でつくり出すヒント」を示している。

藤田 一平(湯沢ストリート村実行委員長)

少子化や人口流出によって将来の存続が危うい「消滅可能性都市」に該当する秋田県湯沢市。年々人口が減少するこのまちで開催される野外フェス「湯沢ストリート村」には、毎年日本のストリートシーンを牽引するヒップホップアーティストたちが集結。市の内外から多くの人が訪れる。

そもそもストリートシーン自体が無かったというこの地域にストリートカルチャーの種をまいたのが、湯沢ストリート村実行委員長の藤田一平(34)氏だ。

深刻化する若者の県外流出

「湯沢ストリート村」は毎年夏に開催。今年の開催で6回目を迎える。プロのヒップホップアーティストのステージや、地元の子供たちによるストリートダンスコンテスト、スプレーアートのパフォーマンス、3on3バスケットボール大会などが行われ、地元の特産品などを扱う屋台村もオープン。秋田県内の20代~30代の男女を中心に、子供たちやその親の世代も含めて、市の内外から500人ほどの来場者が集まる。

「東京で仲間とやっていたクラブイベントを湯沢市に持ってきたいと思ったのがそもそものきっかけです。湯沢にもマクドナルドがあればいいなとか、バンドのスタジオがあればいいなとか、小さい頃に思っていたのですが、そうした妄想を今、自分なりに地元に落とし込んでいる感じです」

横浜の高校へ通い、その後東京のアパレルショップで3年間働き、日本のストリートカルチャーの最前線を体験した藤田氏。湯沢ストリート村は、若者の県外流出が課題となっている湯沢において、自分たち若い世代が憧れ、しかし湯沢では手に入らなかった「ストリート」を湯沢に展開する取り組みとして始まったのだという。

「湯沢だとストリートカルチャーを流行らせるとか、無理っぽいじゃないですか。それを実現して外に発信したいというのがありますね」

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