2018年7月号
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地域特集 北海道

北海道から「1次産業テック」続々 牛ウェアラブルから漁場予測まで

月刊事業構想 編集部

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農業産出額、海面漁業漁獲量、木材生産額でいずれも全国一の北海道では、一次産業の高度化や効率化を目指したテクノロジーが次々と生み出されている。テック系ベンチャーを応援するエコシステムも整備されつつある。

牛用のウェアラブルデバイス「Farmnote Color」

牛管理からトラクター運転まで

北海道発の1次産業テック系ベンチャーの代表格が、酪農・畜産農家向けのクラウド型牛群管理システムや、牛個体管理センサーを開発するファームノート(帯広市)である。

北海道では乳用牛が約80万頭、肉用牛が約50万頭飼育されている。牧場経営では、牛の健康状態や発情・分娩兆候の把握と管理が重要だが、ほとんどIT化がなされておらず農家が個別台帳を作成する手間は大きかった。

ファームノートはこの課題に着目し、2014年に牛群の情報を一括管理・分析するシステム「Farmnote」をリリース。発情や種付・分娩、牛群移動や廃用、販売成績などをスマートフォン・タブレットへのタッチ操作で入力するだけで、クラウド上で簡単に管理できる。現在、2,400農家がファームノートを導入し、約23万頭の牛が管理されている。

さらに2016年にはAIを活用した牛個体管理センサー「Farmnote Color」を発売。言わば牛用ウェアラブルデバイスであり、首に装着して活動データをリアルタイムに収集、AIで解析し、発情や疾病兆候などの異常を農家に通知する。同社は17年3月には産業革新機構など4者から5億円の資金調達を実施、12月にはホクレン農業協同組合連合会からも出資を受けるなど、大きな注目を集めている。

同じく帯広市に本社を置く農業情報設計社は、トラクター運転支援アプリで世界に羽ばたくベンチャーだ。同社の開発した「AgriBus-NAVI」は、トラクターやコンバインなどの農機に搭載し、圃場内の直進作業をガイダンスしてくれる。肥料や農薬の散布時に、広い圃場内でまっすぐ等間隔に農機を運転するには相当の熟練が必要だが、このアプリはスマホやタブレットの画面表示を確認しながら運転するだけで良い。また、いつ・どこを走ったという作業履歴や圃場情報をクラウド上に記録・管理する機能も搭載している。

2017年3月時点で総ダウンロード数は5万7,000回以上。その95%は海外からで、GPSガイダンスアプリとしては世界シェア1位を誇る。さらに、高精度GPSと農機の連携機能や、自動操舵オプションも開発中。農機のIoT化とロボット化の実現を目指している。

AIで発情や疾病兆候などの異常を解析通知する

残り57%

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