宮崎の住環境、起業熱は全国屈指 インフラの不利を越える原動力に
交通インフラの整備が立ち遅れ、経済圏が分断されている宮崎県。一次産業への依存から脱却し、観光インバウンドを含めた新産業を育てることが急務だ。その際のポイントは、全国屈指の住環境とアントレプレナーシップの高さであろう。
「西高東低」に苦しむ宮崎
続く1次産業依存
九州経済を語る時、必ず登場するキーワードが「西高東低」だ。福岡県から熊本県を経て鹿児島県に至る西側エリアは、九州新幹線ならびに九州自動車道が全通するなど産業発展の基盤となるインフラが充実しているのに対し、福岡県から大分県・宮崎県を経て鹿児島県に至る東側エリアは大きく立ち遅れている。
東側の鉄道の大動脈はJR日豊本線であるが全線単線で輸送力は劣る。また高速道路も、東九州自動車道がようやく福岡県から宮崎県まで達したものの全通はしていない。九州内東西格差縮小への悲願でもある九州横断自動車道延岡線(熊本県御船町~宮崎県延岡市)に至っては遅々として進んでいない。
宮崎市には宮崎空港があり、中心市街地からの利便性に秀でている。しかし、山間部の多い宮崎県において、県西部の人々にとっては熊本空港、県南部の人々には鹿児島空港の方が物理的にも心理的にも身近であり、宮崎空港の利用者は限られる。
「西高東低」で交通インフラの立ち遅れが顕著な上に、宮崎市周辺を除けば、経済圏が分断され、地域ごとに大分・熊本・鹿児島各県との関係性が強いなど一体感に欠ける宮崎県。こうした同県の経済を長年支え続けているのが、豊饒な自然資源をベースにした1次産業である。
県民所得に占める1次産業比率は全国1位であり、特に農業・畜産業に関しては、「ブランド化」「6次産業化」が盛んで成功例も多い。「宮崎牛」「地鶏の炭火焼き」「マンゴー」など、すぐ頭に浮かぶ人も多いのではないだろうか?
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