1粒1000円の「楊貴妃ライチ」を生んだ、異色の地域商社

2017年4月、宮崎県新富町がスピード感のあるまち経営を目的に、観光協会を解散し設立したこゆ地域づくり推進機構(通称、こゆ財団)。特産品である一粒1000円のライチの販売や起業家育成などを次々と手掛ける、地域商社のノウハウに迫った。

こゆ財団がブランディングやプロデュースを手掛けた「楊貴妃ライチ」。1粒1000円の高級ライチだが飛ぶように売れ、加工品の販売も好調だ

1粒1000円のライチが大人気に

2017年7月、東京のカフェ・コムサ(コムサステージ銀座店)で、宮崎県新富町産のライチ「楊貴妃ライチ」を使用したケーキやパフェが発売された。日本国内で流通しているライチは99%が輸入品で、国産というだけで珍しいが、「楊貴妃ライチ」は一玉50グラム以上、糖度15度以上の希少ライチ。一粒1000円するこの楊貴妃ライチを贅沢に使用したケーキは、ホール価格が1万6000円にもかかわらず、その味の良さから話題を呼んだ。

楊貴妃ライチは、ほかにもクラフトビール、アイス、チョコレート、葉酸の栄養価に着目した妊娠線ケアクリームなどに用いられ、これまでほとんど知られていなかった国産ライチのなかでも最高級ブランドとして存在感を増している。

このブランディングやプロデュースを手掛けたのが、昨年4月に立ち上げられたこゆ地域づくり推進機構(通称、こゆ財団)。新富町を含む5町1村からなる児湯郡(こゆぐん)を拠点とする、新富町役場が出資して立ち上がった地域商社だ。

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