観光振興、成功のカギは? 岐阜県・観光戦略のキーパーソンが語る
戦略的なインバウンド施策を展開し、全国でも秀でた結果を出している岐阜県。民間から県の観光交流推進局長に登用され、プロデューサー役として活躍した古田菜穂子氏は、顧問となった現在も、地域の観光振興に向けて、現場を奔走している。
2009年、県庁に新設された岐阜県・観光交流推進局。古田肇知事より依頼され、その初代局長に就任した古田菜穂子氏は、2013年まで務めた公務員特別職としての仕事を「県庁の中に入ったからこそ、実現できたことが確実にある」と振り返る。
古田氏の4年間の任期中、岐阜県は2013年のシンガポールからの誘客数伸び率が全国2位、タイ、マレーシア等からの誘客数が全国ベスト10位内にランクインにするなどの成果をあげた。
プロデューサーの役割が重要に
古田氏は多くの自治体が持つ課題として、組織のあり方を指摘する。
「自治体が持つ弱点の1つに、2~3年程度で担当者が変わることが挙げられます。継続事業、特に海外とのやり取りでは、『顔』となる人材が重要ですが、異動でそれが叶わず、事業の内実も薄れることが多々あります。また、プロジェクトの1つ1つに責任者はいても、部署を横断して全体を統括するプロデューサー職が欠けているため、異なる部署の職員同士の方向性の共有が難しくなっています」
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